株が上がった、ではどうするか?: 世界同時株安の反発はポートフォリオ入れ替えで対処

上がったと言っても米国株の話である。日経平均も反発してはいるが、ドルが軟調のため米国株ほど上がっていない。まずは米国株のチャートを見てみよう。

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次は日経平均のチャートである。

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ヨーロッパには移民受け入れ能力はない: イタリアで邂逅した少女の話とドイツの欺瞞

ヨーロッパが移民殺到で混乱の極地に達している。経済的に見た場合、ヨーロッパには本来移民受け入れ能力はないのだが、ヨーロッパの知識人の意見は倫理観と現実問題の間で揺れているようである。ヨーロッパの移民問題に関する個人的な意見は一貫しており、受け入れるならば計画的に、そうでなければ初めから受け入れられないと宣言することである。

しかし、そもそもヨーロッパでは、シリア問題が悪化する前から移民の問題は存在していたのである。流入数や失業率などのデータを挙げることは出来るが、ヨーロッパの移民の現状は日本の読者の多くには馴染みがないだろうから、一つイタリアでの出来事について話してみたい。

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米国利上げが延期になれば日銀の追加緩和の時期はいつになるか? ドル円と金価格はどうなる?

さて、世界中の金融政策が微妙な状況となってきた。大筋ではトレンドがほとんど変わっていない米国の雇用統計にもかかわらず、Fed(連邦準備制度)は利上げをするかどうかを曖昧にしている。彼らはより良い経済指標を待っているのか? 個人的な推測によれば、そうではない。Fedは恐らくある程度の株安を望んでおり、それが持続することを目指しているのである。

これらの記事で説明したように、Fedの目的が利上げそのものではなく株安そのもの、つまり量的緩和バブルのガス抜きであるならば、株安が継続する限り今年中の利上げは必ずしも必要ではないということになる。その場合、ドル円や金はどうなるだろうか? 利上げの延期は日銀の追加緩和にも影響するのか? 今回の記事ではこれらの点について考察したい。

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世界経済GDP&株式市場比較: 株安の裏で回復する南欧、堅調な英米、増税で沈んだ日本経済

何度も書いている通り、世界の経済大国を見回してみれば、大幅に成長している国はない。中国の景気減退を含めて世界的な需要減を懸念して銅や鉄鉱石など多くのコモディティ価格が大暴落している。

しかしながら、それでも世界のすべての国が低成長であるわけではない。そこで一度、主要国の経済を俯瞰し、投資家にとって何処に利益の機会があるかを探してみたい。

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オプション取引入門1: プット・オプション、コール・オプションとは何か?

今回はオプション取引入門である。オプションについてはこれまでの記事で何度も言及してきたが、包括的な説明をしたことがなかったので、ここで一度纏めておく。

2009年から2014年の株式市場のように上昇相場が何年も続く場合や、2012年以降の金など、下落相場が続く場合には、単なる買いや空売りをすれば良いが、相場が方向性のないまま乱高下する場合や、材料がなくほとんど動かない場合などには、単なる売買では利益が出しにくい。しかしそういう時にもオプション取引ならば利益を出すことができるのである。

ということでオプション入門である。オプションにはコール・オプションとプット・オプションがあるが、先ずはコール・オプションから説明してゆく。

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ドイツ人とオーストリア人の文化的違いについてウィーン出身の俳優が語る

この記事はドイツの国民性について書いた少し前の記事のおまけである。

ウィーン出身のハリウッド俳優、クリストフ・ヴァルツ氏が、アメリカのテレビ番組でドイツ人とオーストリア人の国民性の違いについて語っている。日本人にはこういった国際的感覚と異文化理解が必要だと思うので翻訳しておきたい。

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米国株、日本株、イギリス株、ドイツ株の個別銘柄フォローアップ

先週の記事で久々に個別株を紹介したのでフォローしておこう。ここ数ヶ月個別銘柄を扱わなかったのは、相場全体が荒れており、個別株の上下よりも相場全体の上下を予想しなければ意味がない相場となっているからであるが、それでもポートフォリオに良い銘柄を組み込んでおくことは重要である。

では前回紹介した銘柄を順番に見てゆこう。先ず大成功であったのは、以前から紹介していた米国のタンカー運営会社Teekay Tankersである。 続きを読む 米国株、日本株、イギリス株、ドイツ株の個別銘柄フォローアップ

移民を歓迎するドイツの本音と哀れなハンガリーの受難

ヨーロッパの移民問題が深刻化している。アサド政権、反政府組織、ISISの三つ巴の争いが繰り広げられているシリアから多数の難民が流入しており、ヨーロッパ各国は対応に追われている。

日本についても、外国人記者に人道支援としての難民受け入れについて聞かれた安倍首相が「難民受け入れより女性の活用が先」と経済成長の文脈で答えて海外メディアの非難を浴びたりしているが、今回ここで述べたいのは移民受け入れの倫理的意義でも日本の致命的な外交感覚の欠如でもなく、移民問題の裏にあるドイツのヨーロッパ統一願望と、それが欧州経済に及ぼす影響についてである。

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債券王ビル・グロス氏が世界同時株安で株に投資する方法を語る

ビル・グロス氏はJanus Capitalに所属するファンドマネージャーであり、最近ではドイツ国債の空売りや中国株の暴落を的確に言い当てたことで名高い。

彼は間違いなく、米国利上げ前の相場についてもっとも優れた理解をしている投資家の一人である。彼は債券投資家であり、株式の投資は専門外だが、彼はJanus CapitalのTwitterアカウントにおいて、自分が株式をトレードするならばどうするということを述べている。 続きを読む 債券王ビル・グロス氏が世界同時株安で株に投資する方法を語る

ジム・ロジャーズ氏: 原油安はもうすぐ反転する

ジム・ロジャーズ氏が珍しくも市場の短期的な動きを予測している。ブルームバーグ(原文英語)によれば、OPECがいまだ大量の原油を産出し、中国の景気は減速しており、米国では在庫が積み上がっている状態で45ドル程度のレンジ相場を続けている原油について、ジム・ロジャーズ氏は以下のように述べている。

ある銘柄について悪いニュースが出たにもかかわらず、その銘柄が下がらなければ、通常それは底入りを示す兆候であり、反発が近いということだ。原油について底入りが近いのかどうかはまだ分からないが、わたしはこの動きを注視している。

また、原油の需給については次のように述べている。 続きを読む ジム・ロジャーズ氏: 原油安はもうすぐ反転する