債券王ビル・グロス氏の世界経済見通し: 成長率、インフレ率、米国利上げの予想

著名債券投資家のビル・グロス氏がバロンズ誌のインタビュー(原文英語)で世界経済の展望を語っている。多くのエコノミストが悲観的な世界経済の先行きだが、グロス氏の意見はどうだろうか?

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エリザベス女王: 中国高官一行は非常に無礼だった

イギリスのエリザベス女王がバッキンガム宮殿で開かれたパーティーで、中国の習近平国家主席がロンドンを訪れた際、中国の政府高官たちは「非常に無礼だった」とコメントしたとガーディアン(原文英語)が報じている。

引用元には動画も掲載されているが、女王が宮殿の庭で当時の警備担当者たちと会話をした時のもので、女王らは中国を批判するというよりはむしろ淡々と、苦笑を交えながら当時のことを振り返っている。イギリス人は、中国人とはそういうものだと諦めているのである。

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債券王ビル・グロス氏がマイナス金利の悪影響を批判する

著名債券投資家のビル・グロス氏がバロンズ誌のインタビュー(原文英語PDF)でマイナス金利の悪影響について語っている。

マイナス金利が実体経済にネガティブな結果を及ぼす経路について、金利のスペシャリストである債券投資家独自の視点から例を挙げて説明しており、彼の議論はマイナス金利に突入した日本経済の展望を占う上で役に立つだろう。

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南海泡沫事件: バブル経済の語源となった近世イギリスの株式バブルを振り返る

日本の個人投資家で南海泡沫事件を知っている人はどれくらい居るだろうか。金融関係者には常識だが、個人投資家の間ではどうだろう。名前くらいは聞いたことがあるかもしれないが、それがどのような金融バブルであったかを把握している人はあまりいないのではないか。

そこで今回の記事では、この歴史的な株式バブルとその崩壊について、順を追って説明してみたい。南海泡沫事件の面白いところは、同じ種類のバブルが形を変えて実際に現代でも繰り返されているということである。

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ドル円暴落で円高対策に必死の安倍首相、しかしその努力は無駄である

最近のドル円急落がよほど堪えたのか、政府も日銀もかなり慌てふためいているようだが、その必死の努力も、そして日銀の追加緩和も、長期的なドル円の展望を変えることはないだろう。その展望とは、アメリカの金融緩和再開によるドル円暴落、そして日経平均の暴落である。

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ドル円のチャートは現状このようになっているが、当局の反応から見てゆこう。

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ジム・ロジャーズ氏: リーマンショック以上の市場暴落が来る、中央銀行は廃止すべき

著名投資家のジム・ロジャーズ氏がRTのインタビュー(原文英語)で、2016年の世界経済の動向について語っている。

ロジャーズ氏によれば、中央銀行の量的緩和が支えている金融バブルにはいずれ終わりが訪れ、そのバブルが破裂するときには2008年のサブプライムローン危機よりも酷い事態になるだろうと予言している。その理由は世界中で積み上がった負債とマネタリーベースである。

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原油高で米国シェール企業が原油先物売り、生き残りへ活路見出す

2016年前半、暴落していた原油価格が反発しているが、ロイター(原文英語)によれば、アメリカのシェール企業がその高値を利用し、将来の原油の売値をヘッジしているようである。

原油先物とは将来の原油価格を売買できる金融商品である。先物は金融市場で取引され、期限ごとに異なる価格は、何月に原油を受け渡せば、いくらの金額を得られるのかを示している。

例えば現在アメリカのWTI原油先物市場では、6月限の原油先物が45ドル、12月限の原油先物が48ドルで売られている。一般に受渡日の遠い先物の価格の方が高くなるのは、原油の保管にコストがかかるなどの理由であるが、この先物価格はそれぞれの期限の価格がかなりの程度連動するため、先物取引を利用すれば、生産業者は現在の市場価格で将来の分まで原油を売っておき、期限当日の原油価格がどうであれ、事前に先物を売っておいた値段で原油を売ることができるのである。

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2016年第1四半期米国GDP内訳: 緩やかな減速継続、ドル安を肯定

2016年1-3月期の米国のGDP速報が発表され、実質GDP成長率は1.95%(前年同期比、以下同じ)となり、前回の確報値1.98%からやや減速した。2015年中盤は2%を上回って推移していたから、量的緩和を停止して以来減速傾向が継続していることになる。

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内容は順に見てゆくが、象徴的であるのは全般的に弱いなかで住宅投資のみが堅調であることである。低金利によるバブルがアメリカ経済を支えているということである。

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