「日本銀行」タグアーカイブ

日銀がETF買い入れ倍増の追加緩和、株式市場への影響は下落方向に決まっている

新型コロナウィルス肺炎で市場が急落している問題で、日本銀行は3月16日に金融政策決定会合で株式ETFの買い入れ額を倍増させ、量的緩和政策を強化することを決定した。その株式市場への影響はどうなるかと言えば、下落方向に決まっている。

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ビル・グロス氏: ECBと日銀の量的緩和が止まれば米国経済はリセッション入り

債券王と呼ばれるビル・グロス氏の相場観について、久々に報じてみようと思う。債券投資家のものとしては最近はガントラック氏のものが興味深かったため、そちらばかり報じていた。彼の「金価格の短期的上昇」予想は見事に当たっている。

今回はJanus Capitalの発行するグロス氏の月間レポート(原文英語)を取り上げたい。

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日銀、物価目標の達成時期を先延ばしの可能性も

NHKの記事だが、余りにも間が抜けているので笑ってしまった。日銀の黒田総裁によれば「物価上昇率がマイナスに陥っていることを考えると、(達成時期の)修正もありうる」だそうである。現在マイナスのインフレ率が来年にはいきなり2%になっている見込みが万一危ういものだとすれば、確かに修正も「ありうる」だろう。こういう馬鹿なことを言っているから市場に見放されるのである。

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量的緩和バブルの終焉: もし日銀がすべての国債と株式を買い入れたら

多くのファンドマネージャーが指摘するように、現在の相場は株式も債券もすべてがバブルである。著名債券投資家のビル・グロス氏は量的緩和によって人工的に押し上げられた資産価格を「カジノのような市場」と呼び、ジョージ・ソロス氏は2008年の再来と呼んだ。

しかしそのバブルが具体的にいつ崩壊するのかという点については、それぞれの投資家は別の見解を持っているだろう。

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日銀の総括検証は緩和縮小か、量と金利の景気刺激効果の比較

日銀は2016年9月の決定会合で金融政策の総括検証を行い、これまでマネタリーベースを増やす量を調節することで緩和の度合いを操作していたものを、これからは長期金利に目標を定めて国債の買い入れを行うことで緩和を行うという金利操作目標を導入すると発表した。

これを受けて市場はやや困惑している。発表直後には1-2円ほど円安で反応したドル円も、その時の水準から徐々に下落しつつある。

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9月日銀決定会合結果: 総括検証は銀行株への配慮以外に意味はなし

9月21日、日銀は金融政策決定会合で政策の総括検証を行い、マネタリーベースの増加目標を撤回し、短期金利のほかに長期金利の目標値を設定する長短金利操作の方針を発表した。

様々なメディアが今回の政策決定の大枠を大仰に伝えているが、日銀が今回やったことは以下のことだけである。

  • 国債の年間買い入れ額(マネタリーベース増加量)の目標値を撤廃
  • 長期金利が一定値より上がらないように国債を買い入れる方針を表明

つまり、国債の買い入れ方を変更するということである。個人的には日銀のやることなどかなり以前から気に留めていないし、今回の変更も取るに足らないものと考えているが、この記事では一応この変更が金融市場に与える影響についてざっと考察する。

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日銀追加緩和決定: ETF買い入れ増額は株価暴落への序章

7月29日、黒田総裁率いる日銀は、政策決定会合でETFの買い入れ額を増額する追加緩和を決定した。結果発表の少し前に「政府の強い要請を受けて追加緩和を検討」(ロイター)などと報じられた辺りから、やってしまうのではないかと思っていたが、やはりやってしまったようである。

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ヘリコプターマネーはドル円とマネタリーベースにどう影響するか

ヘリコプターマネーが話題となっている。日本政府がヘリコプターマネーを検討し始めたようであり、Fed(連邦準備制度)の前議長であるバーナンキ氏も来日して安倍首相と話したという。

バーナンキ氏はヘリコプターマネーに何度も言及したことから「ヘリコプター・ベン」と呼ばれた中央銀行家であり、ロイターによればバーナンキ氏は安倍首相に「金融政策に限界はない」と話したという。

この発言の真意も含めて、バーナンキ氏がヘリコプターマネーの可能性について話したとすればどのようなことを話したかは大体予想が出来るから、その辺りを順に説明し、また最近の為替相場における円高に関心のある読者も多いだろうから、ヘリコプターマネーが円安をもたらすかどうかについても詳しく議論したい。

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イギリス国民投票: EU離脱で日本市場が円高株安になる理由

市場がやや荒れている。原因は確かにリスクオフなのだが、しかし単にリスクオフと言うのではなく、状況をより厳密に理解することが必要である。

6月23日にイギリスで行われるEU離脱を賭けた国民投票で、投票日直前になりEU離脱派が勢いを増していることを受け、金融市場は円高株安の様相を呈している。

また、6月の決定会合でFed(連邦準備制度)がアメリカ経済にやや弱気な見方を示したこと、そして日銀が特に何も出来なかったことも日経平均やドル円のマイナス材料になっている。

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