ガンドラック氏: ビットコインはここから更に30%近く下落へ

債券投資家のジェフリー・ガンドラック氏がCNBCのインタビューで急落中のビットコイン価格についてコメントしている。

ビットコインの上昇と下落

ビットコインはコロナ後の現金給付による市場への資金流入で、金属や穀物などのコモディティ銘柄と同様に暴騰した。しかし6万ドルまで上がった後、急落を始めた。

3万ドル付近まで下がっているので半額になった訳だが、ビットコインの歴史を考えれば半額までの下落は珍しいことではない。暗号通貨はそういう値動きをする資産だと考えて投資をするべきなのである。

そうは言っても短中期的な値動きをある程度考えなければ投資家は不安だろう。そこで何人かの著名投資家の意見をここで紹介しているわけだが、ガンドラック氏は弱気派のようである。

ガンドラック氏の相場観

ガンドラック氏は基本的にビットコインを市場の流動性を測る指標だと見ている。彼は次のように述べている。

ビットコインは投機熱を代表する完璧な指標となった。

彼はかねてよりビットコイン価格を炭鉱のカナリアとして使ってきた。市場に投機的な資金が余っていればそれがビットコイン市場に流れ込み、資金が不足し始めるとビットコインが下落し始める。株価が下がる前にビットコインが下がって教えてくれるという訳である。

この観点から言えば、ビットコインが下がっているということは、今金融市場では資金が不足し始めているということだろう。

ガンドラック氏は今後の金融市場の動向は追加の刺激策次第だと言う。だから現在のビットコイン下落は、3月の現金給付でアメリカで3度行われた現金給付が打ち止めになっていることを示しているのかもしれない。チャートをもう一度掲載するが時期的にも合っている。

ガンドラック氏の考え方が正しければ、ビットコイン相場の見通しは追加緩和がいつ来るかによるということになる。筆者の推測では2022年11月の中間選挙に向けての追加緩和になるため、刺激策は今年中にはもう来ない可能性が高い。

それでガンドラック氏の見方も弱気である。

現在、ビットコインのチャートはかなり恐ろしいことになっている。6万ドルから31,500ドル近辺まで下がったが、これは典型的な「ヘッドアンドショルダーズ」の形となっている。

自分はあまりヘッドアンドショルダーズを信じていないが、今のビットコインチャートについてはかなり説得力がありそうだ。

23,000ドルまで上昇した時に中立に転換したのは明らかに早すぎたが、もう一度23,000ドルで買えるのではないかという気がしている。

ビットコインには更に30%近い下落が待っているかもしれないということである。

一方で、ソロスファンドがビットコイン購入に向けて動いているらしいことも再掲しておく。ファンドの思惑は様々である。