米住宅は価格上昇で販売数減少、インフレ激化の兆し

7月26日にアメリカの住宅統計が発表され、新築一戸建て販売数は67万6,000戸となり、市場予想に反して減速した。一方で価格は上がり続けており、供給が足りずに価格が上昇している様子が明らかになっている。

住宅価格の異変

まず新築一戸建て販売数だが、グラフは次のように推移している。

4月から3ヶ月連続で下落となっている。これがデフレの兆候かと思えばそうではない。なぜなら以下の平均住宅販売価格のチャートは急上昇しているからである。

これはつまり住宅の需要に対して建設が追いついておらず、そのために価格が高騰していることを意味する。

原因はいくつかあるだろう。債券投資家ジェフリー・ガンドラック氏の言うように、手厚すぎる失業保険が失業者を新しい職場よりもNetflixに縛り付けているというのもある。

そしてやはりコモディティ価格の上昇だろう。銅価格の上昇はアメリカの建設コストを圧迫している。

そして鉄鉱石の価格も他のコモディティと同じく上がっている。当然ながら住宅が建てにくい状況になっているわけである。

インフレは一時的か?

さて、現在のアメリカのインフレが一時的かどうかの議論が行われて何ヶ月かが経っているが、どうもやはり長期的に見てもインフレは止まっていないように見える。期待インフレ率もやや反発しており、市場もそれに同意し始めているのかもしれない。

コモディティはどうなるだろうか? 以前書いた記事がどうやらそのまま有効であるようだ。ゴールドとその他で分かれているところがポイントである。銅相場で代表させている。