ドイツの政治家、カーボンニュートラルのために風呂に入らないことを推奨

世界のニュースを追いかけている日本の人々はもはやテレビを付けて何故かお笑い芸人しか出ていない番組群を見る必要はない。何故ならば、ヨーロッパの政治ニュースは日本人の想像を超えるジョークを提供してくれるからだ。

インフレーション

世界的な物価高騰とエネルギー危機が話題になっている。その主な原因は、大手メディアが言うようにロシアでもウクライナでもなく、コロナ後の現金給付と脱炭素政策である。

厳密に言えば日本も加わっている対ロシア経済制裁も局地的には影響を及ぼしている。例えばヨーロッパの天然ガス価格はいまだ高騰している。一方で国際的な原油価格はロシアのウクライナ侵攻前より安い価格で推移している。

何故そうなっているのかと言えば、西側諸国がエネルギーを買わなくとも中国やインドやブラジルやハンガリーなど、NATOの対ロシア戦争に加担しない中立国はこれまで通りロシアと貿易しているからである。それどころか一部のロシア産のエネルギー資源は西側に転売されているようだ。

だから経済制裁はロシアからエネルギーを買わない国には影響を与えるが、ロシアにはそれほど影響を与えていない。つまり、西側のロシア制裁はロシアよりも日本を含む西側の国民にダメージを与えている。

ヨーロッパの危機的状況

特にヨーロッパの状況は深刻である。そもそもスコットランドやノルウェーなど一部の国を除けばエネルギー資源がないにもかかわらず原油や天然ガスを嫌い、脱炭素政策を強硬して採掘企業への資金供給を強制的に止めたのだから、エネルギーが減るのは当たり前ではないか。

しかもドイツなどは福島以降脱原発までやっているのだから、エネルギー供給はもうどうにもならない。ウクライナ以前の問題である。

そこにコロナ後の現金給付で起きた食料価格高騰なども加わり、今やヨーロッパでは冷暖房が禁止され、バッタを食べることが推奨されている。

しかし現在の物不足を補うためには冷暖房禁止やバッタ食だけでは足りなかったらしい。

シャワーは生活に必要か?

冷暖房禁止やバッタ食に加えて新たにエコな生活のやり方を提案したのはドイツのヴュルテンベルク州首相のクレッチュマン氏である。

クレッチュマン氏はこのエネルギー危機に際して家で取り組んでいることを聞かれ、電気自動車に乗り、巨大なソーラーパネルを使って家で沸かすお湯の70%を賄い、そして暖房を付けているのは家の中の1室だけだと答えた。彼は次のように補足している。

家の気温をどこでも同じにしないことは健康にも良い。わたしの家はほとんどカーボンニュートラルだ。

素晴らしいではないか。

また、ドイツではハノーファーなどの都市で市営のプールやジムなどでお湯の使用が停止されている。シャワーも水しか出ないらしい。無意味なロシア制裁と脱炭素政策の結果が水のシャワーである。

この背景を知らなければ理解できないのだが、クレッチュマン氏はインタビューでシャワーを水で浴びているかどうか聞かれている。ドイツでは州首相であっても水でシャワーを浴びなければならないのか。しかしクレッチュマン氏は天才的な解決法を見出したらしい。

毎日シャワーを浴びる必要はない。タオルは便利な発明品だ。

これは日本人が想像するように、湯船には入るがシャワーは浴びないとかそういうことではない。欧米人はそもそも湯船に入らないので、風呂に入らずにタオルで体を拭いて済ませるということである。

風呂に入らないことはカーボンニュートラル

カーボンニュートラルにするための最良の方法は風呂に入らないことらしい。SDGsは複数のやり方が合わさっているから最後にsがついているらしいが、恐らくそのやり方の1つなのだろう。

日本人にとっては衝撃的な発言だろうが、しかしドイツ人にとってはもしかするとそれほど衝撃的ではないかもしれない。レ・フロンタリエ・エ・レジダンの統計によれば、ドイツ人が風呂に入るのはそもそも平均で週4回だからである。

結論

日本人はアメリカやヨーロッパに理由もなく親しみを持っているが、実際には欧米は異世界である。実際に欧米に行ったことも欧米人に会ったこともない人が欧米に対する幻想を持つ。彼らはわれわれに移民政策だのESGだのSGDsだのを教えてくれるが、まず日本人は彼らに毎日風呂に入ることを教えてやるべきだろう。

欧米から来る馬鹿げたアイデアを無批判に鵜呑みにすることを続けていると、本当に国が滅びるだろう。彼らは好んで滅びようとしているのだから、滅びさせてやれば良いだろう。