原油価格上昇で空売りの好機か: ドーハ産油国会合、サウジアラビアとロシアの増産凍結合意

2016年4月、原油価格が年始来高値を更新した。現在40ドル台で推移している。

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ロイターなどの報道ではサウジアラビアとロシアが増産凍結で合意したと報じられており、4月17日にドーハで開かれる産油国会合への期待が高まっていると思われるが、この急騰は個人的には売りを仕込む絶好の機会だと見ている。

無意味な増産凍結

先ずはっきりさせておきたいのだが、減産ではなく産出量の凍結では文字通り状況は何も変わらない。産油国は既にかなりの量の原油を産出しており、その水準で増産をしないと決めたところで、原油市場は供給過剰のままである。

更に原油価格にとって悪いことに、米国のシェール産業は全く死んでいない。シェール関連企業の決算や財務状況については報じた通りである。

米国のシェール産業とその他の産油国が供給量を下げないのであれば、どうして原油価格が上昇すると予想できるだろうか?

したがって、原油価格を底上げするために必要なのは、増産凍結ではなく減産である。17日のドーハ会合で噂されているのは増産凍結の方であり、減産の可能性は高くないと考えている。もし減産でなければ、原油価格は「噂で買って事実で売る」の典型のような相場になると想定している。

どの水準で空売りすべきか?

では原油をどの水準で売ればいいか。原油価格のレンジ予想については既に書いてあるので、そちらを思い出してもらいたい。

この記事では、原油の高値の限界を60ドル程度としている。したがって50ドル台は空売りのできる水準であり、40ドル台はコールオプションの売り(価格が上がらなければ横ばいでも利益の出るトレード)を仕込める水準である。オプションについては以下の記事を参考にしてほしい。

このドーハ会合を期に原油価格は何処まで上がるだろうか? 50ドル台まで上がり、結果が減産ではなく増産凍結というのが投資家にとってベストケースである。いずれの場合にも臨機応変に対応できるよう、原油価格を注視してゆきたい。