日本の新型コロナ感染者数に急増の兆し、東京封鎖で日本株急落の可能性

ここでは連日アメリカとヨーロッパの新型コロナウィルス感染者数について報じているが、そうしている間に日本の感染者数に危うい動きが見られ始めてきた。小池知事が危機感ある記者会見を行なったが、危機感が足りなかったかもしれない。

日本の流行状況

まず、アメリカとヨーロッパの新型コロナウィルスの流行状況には改善の様子が見られていることは伝えている通りである。

しかし今度は日本、特に東京の状況がきな臭くなってきた。日本の感染者数の推移を同じように見てみよう。

  • 3月16日: 829人 (+15 +1.8%)
  • 3月17日: 873人 (+44 +5.3%)
  • 3月18日: 914人 (+39 +4.7%)
  • 3月19日: 950人 (+34 +4.0%)
  • 3月20日: 1,007人 (+57 +6.0%)
  • 3月21日: 1,054人 (+47 +3.9%)
  • 3月22日: 1,086人 (+32 +3.0%)
  • 3月23日: 1,128人 (+42 +3.9%)
  • 3月24日: 1,193人 (+65 +5.7%)
  • 3月25日: 1,291人 (+98 +8.3%)

アメリカとヨーロッパの感染者数をこれまで眺めてきたここの読者ならば分かるだろうが、この増え方はまずい。すぐにでも増加率が10%に届いてしまいそうである。

複利計算の恐ろしさは投資家にはおなじみだが、仮に今後10日を増加率15%で増え続けたとすると4月の始めには感染者数が5,000人に到達することになる。そうなれば4月の半ばにはどうなっているか、あまり考えたくないだろう。

日経平均への影響

これまでは日本人の衛生観念で都市の封鎖措置なしでも持ちこたえていた国内の流行状況も、そうなれば東京などの封鎖は免れない状況となる。そうすればアメリカやヨーロッパの株価が回復するなかで日経平均だけ低迷する状況になるかもしれない。

日経平均はここ数日、海外の株高の流れに沿って反発しているが、あまりに楽観が過ぎるようであれば東京封鎖で直接ダメージを受ける日本株の個別銘柄の空売りを行なっても良いだろう。その一方で叩き売られた海外の優良銘柄を買ってゆけば良いリスクヘッジとなる。

幸か不幸か日本の感染状況拡大は世界の株式市場にはそれほど重要性を持たない。2ヶ月前、中国や日本などだけで新型ウィルスが流行していた状況では米国株は気にせず上昇を続けていた。

また、こういう状況で投資家は最悪のセクターを買うものである。現状ではアメリカ株やヨーロッパ株、あるいは原油関連株だろう。

日本は流行状況に関してはこれまで頑張っていたが、頑張っていたからこそ投資対象からは外れるのである。まだ最悪ではないということは、これから最悪になる可能性があるということである。逆に既に最悪であればこれ以上状況が悪くなることはない。

また、ここのところ株高がドル安と結びついていることも日本株にとっては上値が重くなる原因となるだろう。また、ドル高になってもそれはそれで別の深刻な問題を示唆しているため、日本株にとっては行くも地獄、帰るも地獄である。