「日本株個別銘柄」カテゴリーアーカイブ

日本郵政の株式新規上場は割安か割高か?: 3社の財務諸表を比較する

日本郵政3社のIPOが近づいている。個人的にはほとんど興味が無いのだが、一応決算書類を調べはしたのでその結果を共有しておきたい。株価や評価額を抜きにして、今回上場する3社が企業として魅力があるかと聞かれれば、魅力はないというのが答えだが、順を追って説明しよう。

先ず、日本郵政とは日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の持株会社であり、今回上場するのは持株会社である日本郵政と、その子会社であるゆうちょ銀行およびかんぽ生命である。郵便サービスを担当する日本郵便は法律で売れないことになっており、今回の3社のIPO後も親会社の日本郵政が100%保有する。

したがって本稿では今回上場される3社の財務状況を比較するが、3社いずれも一番の問題は売上高が下降傾向にあることである。先ずは持株会社である日本郵政から見てゆこう。

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株が上がった、ではどうするか?: 世界同時株安の反発はポートフォリオ入れ替えで対処

上がったと言っても米国株の話である。日経平均も反発してはいるが、ドルが軟調のため米国株ほど上がっていない。まずは米国株のチャートを見てみよう。

2015-10-16-s-and-p-500-chart

次は日経平均のチャートである。

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米国株、日本株、イギリス株、ドイツ株の個別銘柄フォローアップ

先週の記事で久々に個別株を紹介したのでフォローしておこう。ここ数ヶ月個別銘柄を扱わなかったのは、相場全体が荒れており、個別株の上下よりも相場全体の上下を予想しなければ意味がない相場となっているからであるが、それでもポートフォリオに良い銘柄を組み込んでおくことは重要である。

では前回紹介した銘柄を順番に見てゆこう。先ず大成功であったのは、以前から紹介していた米国のタンカー運営会社Teekay Tankersである。 続きを読む 米国株、日本株、イギリス株、ドイツ株の個別銘柄フォローアップ

世界同時株安で買うべき銘柄は? 空売りはどう手仕舞うべきか?

前回の記事では世界同時株安が何処まで下がりうるか、厳密に言えば何処まで下がれば中銀が動くかを書いたが、そこまで下がった場合、世界同時株安前から薦めている空売りについてはどうすべきかを議論する必要がある。

これまで薦めてきたポジションはショートの多いロング・ショートであるが、株安が中銀の動く領域に達した場合、ネット(差し引き)で空売り超となっている分については手仕舞ってゆく必要がある。この時に売りを減らすべきか買いを増やすべきかであるが、個別銘柄では現時点でもかなり魅力的なものがあるため、株式指数の空売り分を減らすよりは、個別株の買いを増やすことでロングを増やしてゆくのが良いだろう。

そこで、今回の記事では英国株、米国株、日本株、ドイツ株など先進国の株式市場から魅力あるものを紹介したい。 続きを読む 世界同時株安で買うべき銘柄は? 空売りはどう手仕舞うべきか?

バルチック海運指数上昇、日本の海運株はどうか?: NSユナイテッド海運、商船三井、共栄タンカー

前回の記事で紹介したように、ばら積み船の運賃を示すバルチック海運指数が上昇している。

同時に原油タンカーなどの運賃も上昇しており、上記の記事では米国のタンカー運行会社を紹介した。一方で日本の海運株も割安放置されており、買いを入れられるか検討してみたので、以下に分析結果を紹介する。

NSユナイテッド海運 (TYO:9110)

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個別株レビューと全体の相場観: Micron、イーレックス、S&P 500、DAX

最近、ドル高の話や、利上げ後に急落するであろう金の安値買いの話など、マクロの話が多かったので、久々に個別銘柄の話題である。 続きを読む 個別株レビューと全体の相場観: Micron、イーレックス、S&P 500、DAX

米国株急落を考える: 買い下がるべき銘柄、金への資本逃避など

3月の末となったが、米国株が急落している。25日の株式市場でNasdaqは2%以上の下げ幅となり、S&P 500の-1.46%を上回った。26日には日本の株式市場にも波及し、日経平均は1.39%の下落、弱気相場はヨーロッパ市場にも持ち越され、特にこれまで堅調だったドイツ株の下げ幅が大きい。

2015年の金融市場についてはこれまで書いてきた通りであり、大局的な見方に一切変更はないが、為替や商品先物の動きなど、今回の急落で気になる点についていくつか書いておきたい。 続きを読む 米国株急落を考える: 買い下がるべき銘柄、金への資本逃避など

電力小売り自由化で恩恵を受ける銘柄紹介

東京電力 (TYO: 9501)や関西電力 (TYO:9503)など、大手電力会社が独占してきた家庭への電力供給が自由化されようとしている。

日本における電力の供給は、2000年から徐々に自由化が行われてきた。2000年に大型工場や百貨店への供給、2004年に中型工場やスーパー、2005年に小型工場、そして2016年4月には家庭や事務所などへの電力供給が自由化される見通しである。

日本の電力消費全体の40%(上記資料による)を占める家庭向けの電力供給には、大手商社からソフトバンク (TYO:9984)まで様々な企業が名乗りを上げているが、その中でも投資家にとって魅力的な数銘柄を取り上げたい。 続きを読む 電力小売り自由化で恩恵を受ける銘柄紹介

平和不動産 (TYO:8803)は半分を利益確定、あとは不動産市場の成り行きを見守る

5月4日に推奨した平和不動産 (TYO:8803)について、前回の記事で説明した日本の不動産市場の展望の変化に基づき、25日の始値でポジションの半分を利益確定する。残り半分のポジションについては、オフィス空室率などの指標を見ながら決済のタイミングを探ってゆく。決済内容は下記の通り。

投資戦略: ロング

フォロー開始時株価: ¥1568

決済数量: 50%

決済時株価: ¥1880

決済分確定損益: 19.9%

フォロー終了: ワコム (TYO:6727)

ワコム (TYO:6727)のフォローを一旦終了する。理由は二つあり、短期的な利益をかなり毀損する決算にもかかわらず、株価が決算後の急落時以上の水準に回復していることと、IDCがタブレット型コンピュータの出荷台数予測を下方修正したこと(ビジネスワイヤ、原文英語)である。株価が短期的にも長期的にも割安な水準となった場合や、業績回復により直接的な材料が出た場合、フォローを再開する場合がある。投資結果は以下の通り。

投資戦略: ロング

フォロー開始時株価: ¥514

フォロー終了時株価: ¥494

リターン: -3.89%