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ジム・ロジャーズ氏、原油価格はまだ上昇すると予想、シェールオイル産出量の減少継続で

著名投資家のジム・ロジャーズ氏がETのインタビュー(原文英語)で現在底値から反発している原油価格の上昇はまだまだ続くとの見通しを発表している。

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原油安で米国シェールオイル企業の破綻は近いか?: 2016年第1四半期決算を見る

2月に引き続き、アメリカのシェールオイル採掘企業の決算を見て原油価格の推移見通しを考えたい。今回は5月に発表された2016年1-3月期の決算を眺めてゆく。

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原油高で米国シェール企業が原油先物売り、生き残りへ活路見出す

2016年前半、暴落していた原油価格が反発しているが、ロイター(原文英語)によれば、アメリカのシェール企業がその高値を利用し、将来の原油の売値をヘッジしているようである。

原油先物とは将来の原油価格を売買できる金融商品である。先物は金融市場で取引され、期限ごとに異なる価格は、何月に原油を受け渡せば、いくらの金額を得られるのかを示している。

例えば現在アメリカのWTI原油先物市場では、6月限の原油先物が45ドル、12月限の原油先物が48ドルで売られている。一般に受渡日の遠い先物の価格の方が高くなるのは、原油の保管にコストがかかるなどの理由であるが、この先物価格はそれぞれの期限の価格がかなりの程度連動するため、先物取引を利用すれば、生産業者は現在の市場価格で将来の分まで原油を売っておき、期限当日の原油価格がどうであれ、事前に先物を売っておいた値段で原油を売ることができるのである。

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最新原油価格見通し: 反発はだまし、シェール産業はまだ死んでいない

ここのところ原油価格が上昇しているが、それが長期的に続く可能性は低い。原油の供給の長期動向については以前から何も変わっておらず、変わったのは一度下がった原油価格だけであり、価格下落による一時的な供給減が、価格回復後も長期的に続くと考えるのは不合理だろう。

2016-4-29-WTI-crude-oil-middle-term-chart

上記はアメリカのWTI原油価格の推移を示すチャートである。30ドルからの反発で短期的には結構上がったように見えるが、このように中長期で見るとそれほど上がってもいない。このようにボラティリティの高い相場では、通常の値動きの範囲内である。

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ドーハ産油国会合結果速報: 合意なし!

とんだ茶番であった。4月17日にドーハで行われたOPEC及び非OPECの産油国会合で、原油市場の供給過剰を改善するために増産凍結で合意がなされるとの思惑から、ここのところ原油価格が上昇していたが、産油国会合は何と合意なしで終幕した。空売りの好機を伺いながらポジションを徐々に組み始めていた投資家としてはかなり拍子抜けである。

ちなみに週末までのWTI原油価格は以下のようになっていた。

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原油価格上昇で空売りの好機か: ドーハ産油国会合、サウジアラビアとロシアの増産凍結合意

2016年4月、原油価格が年始来高値を更新した。現在40ドル台で推移している。

2016-4-13-WTI-crude-oil-chart

ロイターなどの報道ではサウジアラビアとロシアが増産凍結で合意したと報じられており、4月17日にドーハで開かれる産油国会合への期待が高まっていると思われるが、この急騰は個人的には売りを仕込む絶好の機会だと見ている。

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2016年原油価格の推移予想まとめ: シェール産業の倒産見通しとOPEC協調の影響

原油相場の動向についてはこれまで何度も書いてきたが、ここで相場見通しを一度纏めておきたいと思う。

先ず原油相場の長期的な流れであるが、リーマンショック後100ドル前後で推移していた米国のWTI原油価格は2014年6月頃に下落し始め、2016年2月には26ドル辺りまで下がる暴落となった。以下は原油価格のチャートである。

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3月の米国FOMCは利上げなし、結果発表後の世界の金融市場チャートを見る

3月15日から16日まで行われた米国FOMCの金融政策決定会合では、政策金利の維持が決定された。決定は満場一致ではなく、カンザスシティ連銀総裁のジョージ氏が0.25%の利上げを主張したが否決された。ジョージ氏はタカ派で知られる。

発表された声明は下記の記事で取り上げた1月のものとあまり変わっていないが、原油価格や株式市場が反発したにもかかわらず、「世界経済と金融市場の動向は引き続きリスクとなっている」との表現を記載し、1月に引き続き市場への配慮を示した。

現在の市場の回復を考えれば、個人的にはFed(連邦準備制度)はもっとタカ派になって良いと考えていたので、その予測からすれば今回の発表はハト派ということになるだろうか。市場もそのように受け取ったようであり、ドルが下落、金価格などが上昇している。順にチャートを見てゆこう。

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2015年Q4シェール企業決算: 原油価格暴落で生産量は減っているのか? 倒産は近いか?

2016年に入ってからも軟調が続いているエネルギー価格だが、これまでも書いてきた通り、原油と天然ガスの価格見通しは米国シェール産業とOPECの動向次第である。

OPECについてはサウジアラビアやイランなどの協調がどう進むかを見なければならないが、シェール産業の今後の産出量を知るためには各社の決算を追いかけてゆく必要がある。したがって本稿では、2月後半に発表されたシェール企業の決算を纏めたい。

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イランがサウジやロシアの原油増産凍結を支持したことが示す2016年原油価格の先行き

サウジアラビアなどOPEC加盟3カ国とロシアの間で、原油の生産量を1月時点の数値で固定する条件付き合意がなされたことについて、同じく産油国であるイランが支持を表明した。

サウジなど4カ国の同意は、他の産油国もそれに従う場合のみ実行されるという条件付きであり、これはイランの同意が必要であることが含まれているが、アメリカの経済制裁により実質的に禁止されていたイランの原油輸出はようやく再開が可能になったばかりであり、イラン自身は1月の数値での固定については合意はできないとしている。しかしサウジやロシアもそれは分かっているはずであり、イランに対し何らかの譲歩がなされるのではないかとの憶測が市場を飛び交っているが、これはまだ憶測である。

しかしながら、産油国、それもOPEC加盟国と非加盟国が話し合っているということ、そしてこれまで減産にもっとも否定的であったサウジが、生産量の調節に意欲を見せていることは、今後の原油価格を占う上で重要なニュースである。

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