個別株レビューと全体の相場観: Micron、イーレックス、S&P 500、DAX

最近、ドル高の話や、利上げ後に急落するであろう金の安値買いの話など、マクロの話が多かったので、久々に個別銘柄の話題である。

Micron (NASDAQ:MU)

先ず、4月1日に決算を発表した半導体大手のMicronについては、決算直後に記事を出し、株価が26ドル後半に留まるようであれば、P/E(株価収益率)が8前後となり買い場であると書いた。

その後の値動きでは、決算後も数日$26.5前後で推移し、買い場を演じたあと上昇、24日の終値で$29.2で取引されており、底値から10%以上の上昇となった。

これで異常な安値からは回復したものの、P/Eは未だ9に達しておらず、今からでもポジションを始められる株価である。コンピュータの記憶装置の大部分はこれからSSDへと切り替えられると予測されるため、現在使用されているハードディスクの分、半導体業界は伸びしろがあると言える。MicronはIntelのようにCPUとの兼業ではなく、半導体メモリに特化しているため、投資先として長期的に大きなポテンシャルを有すると言えるだろう。

イーレックス (TYO:9517)

上記記事で紹介したイーレックスは、2016年に電力小売りが自由化された際に恩恵を受ける銘柄であるが、米国の電力小売り会社との提携が報じられたため、予想より早く上昇してしまった。

紹介時の株価は¥1,153であったが、記事では20%ほどの調整を待ちたいと書いた。その後株価は¥1,004まで落ちた後、報道により一時¥1,663まで暴騰、24日の終値では¥1,324で取引されている。

1,000円台前半で拾えた投資家は、大幅な儲けになったことだろう。リスクの取り方は人それぞれであり、もう少し下がるのを待っていた投資家も、自分のリスク許容度を考えた上で手を出さなかったのであれば、その判断は正解である。投資は結果ではない。市場に銘柄は山ほどあるのだから、自分の仕掛けた網に引っかかるものだけを相手にしていれば良いのであり、欲を出して自分から海に飛び込む必要は一切ないのである。

全体の相場観

さて、金融市場全体では面白いチャート形成となっている。米国のS&P 500が今年に入ってからの高値圏を上抜けようとする一方(Google Finance)で、これまで好調であったドイツのDAXは調整に入り始めた(Google Finance)。日経平均はその中間であると言える。ドル円は比較的軟調である。

来週の動きは1つの節目となるだろう。S&P 500が天井を上抜けることができなければ、世界の株式市場は遂に米国利上げ前の調整に入るのかもしれない。逆に上抜けた場合は、そこからの一段の上げが利上げ前最後の花火となるだろう。

いずれにせよ、やることは決まっている。2015年の見通しは変わっていないのだから、これまでの方針に従ってポジションを調整してゆくのみである。

米国の利上げはバーナンキ氏の頃から議論してきたのだから、投資家はそれぞれ自分の戦略を固め終わっているべきである。これからの相場は荒れる可能性が高いが、幸運を祈りたい。