ガンドラック氏: アメリカの若者はもうビットコインの話をしていない

DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏が、The Julia La Roche Showにおけるインタビューで暗号通貨について語っている。

ドルからの資金逃避

ここ数年、金融市場で金価格が高騰しているのは読者も知っての通りである。

ウクライナやイランにおける戦争でアメリカに従わない国々をアメリカが脅して回っていることから、BRICS諸国や中東諸国はドルを持っているとアメリカに経済制裁されかねないと考え、外貨準備をドルからゴールドに持ち替えている。それで金相場は次のようになっている。

だが、ドルの代わりと聞いて思い出してほしいものが1つある。ビットコインである。

ゴールドがドルからの資金逃避の受け皿になるのであれば、ビットコインこそドルの代わりになるべく生まれたものではないか。そのビットコインはどうなっているのか。ビットコイン価格は次のように推移している。

ビットコインが上がらない理由

何故ビットコインは低迷しているのか? ドルから資金が逃げている今、ビットコインにとっては最高の相場であるはずではないのか?

そうはなっていない理由について、ガンドラック氏は次のように述べている。

去年、ゴールドが約70%も上昇したにもかかわらず、ビットコインは下落した。ここから得られる教訓は、ビットコインへの熱狂は過ぎ去ったということだ。

ガンドラック氏は、ビットコインへの熱狂は終わったと言っている。根拠は何か? これまでビットコインを支えていたアメリカの若者たちの興味の移り変わりである。

ガンドラック氏は次のように言っている。

若者が中高年に対して言う最大のディスりの1つは、「もう中高年くらいしかビットコインの話をしていない」だろう。もはや彼らにとってビットコインはクールではないのだ。

これに関しては、スタンレー・ドラッケンミラー氏も同じようなことを言っていた。ドラッケンミラー氏も自分のところに来る学生たちの意見を参考にする著名投資家の1人だが、ドラッケンミラー氏は数年前からアメリカの若者たちの興味は暗号通貨からAIに移っていると言っていた。

結論

ガンドラック氏はビットコインは一過性の流行りで、アメリカの若者たちはそこから離れつつあると言っている。実際はどうなのだろうか。

個人的には、暗号通貨が本当に通貨の代わりになるには、少なくとも普通に決済で使えるものになってもらわなければ困ると考えてきた。そしてそれはいまだにほとんど果たされていない。暗号通貨は決済手段としてはほとんど使われていない。

このままではビットコインそのものが一時期流行ったNFTアートのような、実体のない投機で終わってしまうだろう。

また、ビットコインがどうなるかとは別に、金融市場全体のトレンドが変わったとガンドラック氏は主張している。

ガンドラック氏は次のように言っている。

金融市場はもっと具体的で確かなものを求めており、熱狂の時代は終わった。それが今の金融市場のテーマだ。

それでゴールドやシルバーが買われているというわけだ。

インフレや戦争の時代には、確かに価値を保つもの、つまり現物資産が好まれる。

Bridgewaterのレイ・ダリオ氏は著書『How Countries Go Broke』(仮訳:なぜ国家は破綻するのか)において、アメリカの財政が更に傾いてゆくにつれてその傾向は顕著になると予想している。日本語版はないが、英語が読める人はそちらも参考にしてもらいたい。


How Countries Go Broke