Von Greyerzのエゴン・フォン・グライアーツ氏が、自社の配信動画でここ数年で大幅に上がった金価格の今後の動向について語っている。
金価格の高騰
金価格が高騰している。ここでは2年前からゴールドの推奨記事を書き続けてきたが、以下のチャートがその結果である。

金価格上昇の理由
金価格はなぜ上昇しているのか。コロナ後のインフレと金利上昇で、米国債の利払いがアメリカの財政赤字の半分ほどにも達しており、アメリカの債務問題が紙幣印刷で解決されると投資家が予想しているからである。
そして、ここで紹介する多くの世界的ヘッジファンドマネージャーが言っていることだが、これは国家の債務が途方もない金額になり、そしてインフレが起こって金利が上がり始めた場合に歴史上常に起こってきたことである。
国家が破綻する時には常にそうなる。政府債務は紙幣印刷で解決される。例えばフランス革命前夜のフランスについて、フォン・グライアーツ氏は次のように言っている。
ルイ15世も紙幣印刷をした。彼はフランスを破産させ、彼の愛人(訳注:ポンパドゥール夫人)もそれを手伝った。1750年代に戦争でプロイセンに敗北したとき、フランスの覇権の終わりを彼らは悟っていた。
だから彼はポンパドゥール夫人に「朕の後には大洪水が来るであろう」と言った。
ルイ15世は、太陽王と呼ばれたルイ14世の次の王であり、フランス革命によって処刑されたルイ16世の前の王である。
フランスの財政は彼の時代に大幅に悪化した。ルイ15世自身が悟っていたように、ルイ16世の時代のフランス王政の崩壊の原因は、ルイ16世というよりはルイ15世の時代に作られたものだ。
ルイ15世は「鹿の園」と呼ばれる娼館に娼婦を囲って好き勝手にしていた。政治に関わる人間のやることはいつも変わらない。今の時代に照らし合わせば、財務省のノーパンしゃぶしゃぶだろうか。しかしルイ15世の時においてもそうだったように、ノーパンしゃぶしゃぶの時代に日本が崩壊するわけではない。そこから数十年経ってからそういう政治のつけが国民に回ってくるわけである。
通貨の価値下落と金価格の上昇
具体的に言えば、インフレが来て、政府が利払いの支払いに困り始めてから財政問題は表面化する。だからトランプ大統領は金融緩和によって債務問題を解決しようとしているのである。
それがドルであれ円であれ、紙幣を持っていてはあなたの資産は価値を失う。政府債務は、国民の貯金の価値をゼロにすることによって解決される。
そして、それに気づいた人から自分の貯金をゴールドやシルバーなどの貴金属に移しているのである。
この状況を随分前から予想していたフォン・グライアーツ氏は次のように言っている。
ゴールドの価値が上がるわけではない。紙幣の価値が下がるだけだ。
金価格は今世紀に入ってから300ドルから4,000ドルまで上がったが、わたしの見解では金価格はここから何倍にもなる。
今でさえ、ゴールドとシルバーを買うのは手遅れではない。
恐らくフォン・グライアーツ氏は、貴金属の価格が数十倍になった1970年代の物価高騰時代のシナリオを予想しているのだろう。当時の貴金属の価格推移については以下の記事で解説している。
アメリカは、これから紙幣印刷によってドルの価値を下落させ、政府債務の問題を解決するだろう。このシナリオについては、Bridgewaterのレイ・ダリオ氏が新著『How Countries Go Broke』(仮訳:なぜ国家は破綻するのか)において詳しく解説してくれている。
ダリオ氏の本においては、政府が国民の貯金を犠牲に債務問題を解決する現代の事例として、日本のアベノミクスが1章まるまる割かれて紹介されている。名誉なことではないか。日本語版はないのだが、英語が読める人は是非読んでおくべきである。
