コロナ後絶好調のギリシャ株、政府債務を削減しながら株高を実現

2023年の株式市場を語るにあたって外せない国が1つある。それは絶好調のギリシャ経済である。

コロナ以前のギリシャ経済

ここの古参の読者は覚えているかもしれないが、ギリシャ経済はユーロ圏の中で長年酷い目にあってきた。

共通通貨ユーロの抱える経済問題において、ギリシャは常に中心に居た。ユーロ圏最大の経済大国ドイツを基準に決まるユーロのレートは、他の国を通貨圏に取り込んだドイツにとっては安く、ドイツの輸出産業は潤ったが、ユーロ圏の小国であるギリシャにとっては高過ぎ、ギリシャの輸出産業や観光業は破壊されていった。

2010年からの欧州債務危機ではギリシャはデフォルトの瀬戸際まで行った。以下の記事では、ギリシャの貿易収支がドイツの貿易黒字に吸い取られてゆく様子をチャートで説明している。

ギリシャ経済の復活

だがコロナ以後、ギリシャ経済が復活しているのを知っているだろうか。例えば実質GDPをドイツと比べてみると次のようになる。

ドイツの実質GDPが辛うじてコロナ前と同じような水準で推移する中、ギリシャはコロナ前の水準を大きく上回っている。

ギリシャ経済が奇跡の復活を遂げたのは、2019年に就任したミツォタキス首相の経済政策が原因である。

ミツォタキス氏は例えば法人減税を行なった。ギリシャの法人税率は28%から22%まで引き下げられている。

だがミツォタキス氏の法人減税は、日本のように経団連のために法人税を消費税に転嫁し、消費税の輸出免税で輸出企業に還付金を与えるための法人減税ではない。

何故ならば、ミツォタキス氏は他の税に転嫁することで法人減税を実現したのではなく、無駄な支出を減らすことで減税を実現したからである。

実際、ギリシャのGDP比政府債務は、コロナ初年の2020年は流石に上昇したものの、その後のミツォタキス氏の支出削減努力によってコロナ前の水準以下にまで減少している。

それでいながらドイツ以上の経済成長を達成しているのである。以下の東京五輪用の公共トイレのような何の役にも立たない公共事業と汚職を積み上げる自民党の政策がなければ経済成長が達成できないという完全に間違った幻想を抱いている日本人に経済データという現実をお届けしたい。

出典:産経新聞

絶好調のギリシャ株

結果として、GDPだけでなく株式市場も絶好調である。主要な株価指数であるアテネ総合指数のチャートは次のように推移している。

ギリシャ株は2023年の世界の株式市場の中でも非常に調子が良い部類に入る。それが日本やアメリカのようなばら撒きではなく減税と債務削減によって実現されているというのは興味深いことではないか。

思い出されるのは、債務膨張と緩和のやり過ぎで自国通貨が死んだアルゼンチンの改革に挑んでいる新大統領のミレイ氏である。アルゼンチンもギリシャの成功に続くことができるだろうか。