世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏が、ETによるインタビューで金相場について語っている。
金価格の高騰
今では広く知られるようになったが、金価格が高騰している。年始にやや大きめの下落があったが、その後ある程度持ち直している。

ダリオ氏はゴールドについて次のように語っている。
ゴールドは明らかに富の貯蔵手段として広く使われていて、1971年までは公式の通貨だった。
1971年のニクソンショックまで世界は金本位制だった。ニクソンショックについてはダリオ氏が以下の記事で解説してくれている。
だが、金本位制ではなくなった後も各国政府がゴールドを使わなくなったわけではない。むしろ、最近の金価格の高騰の原因は様々な国の中央銀行がドルの代わりにゴールドを買っていることなのである。
アメリカの債務問題や、ウクライナ以後にアメリカがドルを使った経済制裁を濫用していることから、アメリカから一定の距離を置きたい中東諸国やBRICS諸国がドルを持ちたがらず、ゴールドを買っている。
それで世界経済におけるゴールドのプレゼンスが上がっているのである。ダリオ氏は次のように言っている。
ゴールドは世界第2位の準備通貨だ。政府などは、今の状況下ではゴールドを最も安全な通貨として選ぶだろう。
ゴールドは今も安全な通貨か
司会者は、年始に金価格が大きく下がったことから、ゴールドは今でも安全な通貨だと思うかとダリオ氏に尋ねた。
ダリオ氏は次のように答えている。
1日ごとに変わるものではない。
ゴールドは1年で65%上がり、天井から16%下落した。人々はゴールドが上がったとか下がったとか買うべきだろうかとか言っているが、それは間違いだ。
ダリオ氏の頭にあるのは、アメリカや日本などの先進国が自国の債務問題を紙幣印刷で解決することによる貨幣価値の長期的下落である。
それが金価格の1週間や2週間の下落で変わるわけがない。ダリオ氏の言っているのはそういうことである。
ダリオ氏は、続けて次のように言っている。
そうではなくて、個人であろうが中央銀行であろうが国家ファンドであろうが、「自分の金融資産のうち何%がゴールドであるべきか」を問うべきだ。そしてそのパーセンテージについて考えるのだ。
そして金価格は上がったり下がったりするが、上がりすぎればパーセンテージを下げるためにいくらか売る。だが、そのパーセンテージは維持すべきだ。
高いとか安いとか買えとかではなく、どういう資産の組み合わせを保有するのが良いか、戦略的に考えることだ。
ダリオ氏のドルや円の下落シナリオは継続している。ダリオ氏は新著『How Countries Go Broke』(仮訳:なぜ国家は破綻するのか)で、先進国の政府債務が紙幣印刷でしか解決されないと予想している。
日本語版はないが、日本経済については1章まるまる割かれて取り上げられているので、英語が読める人はそちらも参考にしてもらいたい。
