フランスで新規感染者7,379人、ヨーロッパのコロナ第2波止まらず

日本の第2波は何とか歯止めがかかったように見えるが、日本で第2波が始まった頃は上手くやっていたヨーロッパで今度は大きな第2波が来ている。フランスでは8月28日の新規感染者数が7,379人となり、1日1,000人程度の増加で収まっていた8月初旬から感染拡大のペースは大幅に早まっている。

ヨーロッパで第2波拡大

いつも通りデータを見てゆきたい。直近10日間のフランスにおける感染者数の推移は次のようになっている。数字は累計感染者数、増加数、増加率の順である。

  • 8月19日: 225,043人 (+3,776 +1.7%)
  • 8月20日: 229,814人 (+4,771 +2.1%)
  • 8月21日: 234,400人 (+4,586 +2%)
  • 8月22日: 238,002人 (+3,502 +1.5%)
  • 8月23日: 242,899人 (+4,897 +2.1%)
  • 8月24日: 244,854人 (+1,955 +0.8%)
  • 8月25日: 248,158人 (+3,304 +1.3%)
  • 8月26日: 253,587人 (+5,429 +2.2%)
  • 8月27日: 259,698人 (+6,111 +2.4%)
  • 8月28日: 267,077人 (+7,379 +2.8%)

大手メディアのニュースで見るとスピード感が分かりにくいが、元データを見れば状況が分かりやすい。かなりの速度で新型コロナの流行が再拡大していると言えるだろう。

フランス以外のヨーロッパ諸国で感染が急拡大しているのはスペインである。数字は以下の通りだが、フランスよりも大きな流行となっている。

  • 8月19日: 370,867人 (+6,671 +1.8%)
  • 8月20日: 377,906人 (+7,039 +1.9%)
  • 8月21日: 386,054人 (+8,148 +2.2%)
  • 8月22日: データなし
  • 8月23日: データなし
  • 8月24日: 405,436人 (+19,382 +5.0%)
  • 8月25日: 412,553人 (+7,117 +1.8%)
  • 8月26日: 419,849人 (+7,296 +1.8%)
  • 8月27日: 429,507人 (+9,658 +2.3%)
  • 8月28日: 439,286人 (+9,779 +2.3%)

土日のデータがないあたりがスペインらしい。そしてフランスとスペインではこれほどの流行になってはいるが、例えばドイツでは1日1,500人程度の流行拡大となっており、ヨーロッパ内でも温度差が見られる。

バカンスで流行拡大

フランスとスペインでは流行が大幅拡大し、ドイツではそれほどでもないという状況を鑑みると、どうも夏季休暇でバカンスの行き先となっている国で流行が拡大しているようである。

ヨーロッパでは一般的に日本のお盆休みよりもかなり長い夏季休暇を取る傾向があり、フランスやスペインなどはヨーロッパ中から観光客が訪れることになる。更にヨーロッパでは国によってはヨーロッパ外からの外国人観光客の受け入れを再開している国もあり、夏の間の感染拡大は不可避といった状況だろう。

結論

日本では新規感染者数が徐々に少なくなってきているが、それは同時に人々が感染拡大を危惧して外に出なくなったということを意味している。経済が再活性し始めればコロナの感染拡大が自動的なブレーキとして作用する状況である。

随分前からの持論ではあるが、コロナは恐らく当分収まらないだろう。最低でも数年だが、恒久化する可能性も少なくない。経済はかなり大規模な構造の変化に見舞われることになり、市場も実体経済もその予兆さえまだ織り込んでいないということは再び強調しておかなければならないだろう。