ガンドラック氏: 米国株、アジア新興国株に強気

2020年序盤の株価下落予想を的中させた著名債券投資家のジェフリー・ガンドラック氏がウェブキャストで2021年の相場観を披露しているのでその内容を紹介したい。

ガンドラック氏の2021年相場予想

2020年は新型コロナのために相場も現実も荒れた年となったが、2021年はどうなるだろうか。ガンドラック氏はウェブキャストの中でお気に入りの資産クラスをいくつか挙げている。

  • 米国株
  • 新興国株
  • アジア株

ほとんど全面的な株式市場への強気表明である。特にアジア株については市場で不当に低く評価されているが「非常に魅力的」であり、お気に入りリストのなかでも高い位置にあるとした。

最近、アメリカの著名投資家の中でアジア株への評価が高まっているようである。世界最大のヘッジファンドを運用するレイ・ダリオ氏に続いてガンドラック氏もアジア・ファンに加わったようだ。

アジア諸国の株価チャートをいくつか挙げておこう。先ずは日本株である。

次は中国株である。

どちらもコロナ前の水準を大きく上回ってはいるが、ガンドラック氏の言う「過小評価」とは米国株などに比べて株価収益率が低いことだろう。

コロナによるパラダイムシフト

実際、ガンドラック氏はコロナによって大きなトレンド転換があると主張しており、長年続いていた以下のトレンドが逆転する可能性があるという。

  • 米国株の他国の株式に対する優位性
  • 米国の大型株の小型株に対する優位性

つまり、米国よりも他の国の株式が高パフォーマンスとなり、AmazonやFacebookなどの大型株が高い評価を受けてきた状況が変わるということである。実際に2020年の前半に好調だったテック企業の株式は後半以降は足踏みしている。以下はAmazonの株価チャートである。

ガンドラック氏が好まない資産クラス

一方でガンドラック氏は以下の資産クラスは好まないとした。

  • 長期の債券
  • ドル

つまり米国債に弱気ということである。

ガンドラック氏が見ているシナリオは明らかにインフレである。物価が上昇すれば株式にはプラス、債券にはマイナスとなる。そしてインフレとは通貨の価値が下落することであるため、ドルに対しても弱気ということである。

レイ・ダリオ氏もドルに対しては弱気の見方をしている。

また、ガンドラック氏はビットコインへのスタンスを「強気」から「中立」に変更すると述べた。元々は強気予想だったが上がりすぎたのだろう。ガンドラック氏は15,000ドルまで上がると予想していたが、その水準を楽々飛び越えて一時40,000ドルに到達してしまった。

ガンドラック氏いわく「こんなボラティリティの相場は危険だ。1時間のあいだに20%も失う心配をしなければならないのは嫌だ」とのことである。ビットコイン価格は次のように推移している。