マイナード氏: ビットコインはここから更に半分以上下がる

ビットコイン価格の上昇とその後の急落の両方を予想的中させた債券投資家のスコット・マイナード氏がビットコイン相場の更なる暗雲を予想している。

マイナード氏のビットコイン相場予想

ビットコイン価格は今年急騰した後急落した。それを的確に予想し続けているのがマイナード氏である。

タイミングも含めて完璧である。

そのマイナード氏がCNBCのインタビューでビットコイン価格の更なる下落を予想している。彼は次のように述べている。

テクニカル分析によれば大底は10,000ドルということになる。だがそれは極端だろうから、15,000ドルと言っておこう。

なかなか大胆な予想である。現在ビットコイン価格は次のように推移している。

したがって15,000ドルになれば下落した今の価格から更に半分以下、もし10,000ドルなら3分の1以下ということになる。

ビットコイン相場下落の原因

マイナード氏の弱気予想にはどういう理由があるのだろうか? 彼は次のように説明している。

ここ1年間のビットコインの主な上昇要因は中央銀行の供給する資金が増加していたことだった。だからその資金が減少に向かっている今、ビットコイン価格も下落することになる。

先月のFOMC会合では今後の利上げとテーパリング(量的緩和縮小)が示唆された。

今のところ株式市場への影響は限られているが、ビットコイン価格の下落は実は金利上昇が懸念され予想インフレ率が下がり始めた時期と一致している。市場の予想インフレ率はビットコインと同じく5月半ば頃から下がり始めている。

ビットコイン上昇の理由の1つは中央銀行の紙幣印刷によるインフレを回避することだった。

インフレを懸念しているサマーズ氏やガンドラック氏などの論者も今後数ヶ月は短期的なインフレ要因の剥落を予想していることから、インフレ率とビットコイン価格にある程度の相関を見るのであればビットコイン価格の素早いリバウンドは考えづらいということになるかもしれない。

ビットコイン価格は再上昇するか?

マイナード氏はビットコイン相場の今後について次のように述べている。

今はビットコインに資金を投入すべきかどうかを考える時期ではないと思う。

ビットコイン相場は再び上昇するまでに1、2年の横ばい相場を続けなければならないだろう。

1、2年という単位を長いと取るか短いと取るかは人によるかもしれないが、マイナード氏はそれでもビットコイン価格の再上昇を見込んでいる。恐らくこれはマイナード氏の株式市場への相場観にも関係しているのかもしれない。

マイナード氏は株式市場が今年一度急落を経験するとした上で、その後中央銀行は株式市場を助けるために緩和を再開しなければならなくなると主張する。

マイナード氏はビットコイン下落の理由を中央銀行の緩和縮小だと言っている。そうであれば、緩和再開のタイミングには株式市場とともにビットコインも上がることになるだろう。マイナード氏は金価格も暴騰すると予想しているが、これも同じ意味なのだろう。

難しいのはタイミングである。しかし、その難しいタイミングを当て続けているのがマイナード氏である。ちなみに筆者は暗号通貨ではビットコインよりも時価総額2位のイーサリウムをお勧めしている。以下の記事も参考にしてもらいたい。