ガンドラック氏: インフレ無視のパウエル議長のお陰でアメリカのインフレ率は下がらない

DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏が、今週のFed(連邦準備制度)のFOMC会合にコメントしている。

インフレ無視のパウエル議長

今週のFOMC会合は以下の記事で報じているが、会合後の記者会見でパウエル議長はハト派だった。

筆者はインフレ無視と書いたが、ガンドラック氏も同感のようだ。ガンドラック氏は次のようにコメントしている。

パウエル氏は予想を上回った1月と2月のインフレの数字に出来る限りの無関心を与えた。

市場はドットプロットの示すものが年内に3回ではなく2回の利下げになるのではないかと恐れていた。

それが長短金利差が広がった理由だ。

Fedはドットプロットにおいて年内3回の利下げ予想を維持した。長短金利差が広がったというのは、インフレが収まっていない中で利下げ回数が減らされなかったので、政策金利に連動する短期金利が下落し、将来のインフレに反応する長期金利が上がったのである。

ガンドラック氏は次のように付け足している。

パウエル氏が1月と2月のインフレの数字をある程度無視したので、記者会見のあと長期国債の価格が、具体的には30年物国債だが、下落した。

国債の価格下落は金利上昇を意味する。短期金利と長期金利の動きはこれからどうなるのか。ガンドラック氏は次のように予想している。

経済統計が発表されるにつれ、長短金利差は恐らくこのまま広がるだろう。次のCPI(消費者物価指数)で持ち家の帰属家賃が落ち着かない場合は特にそうだ。

インフレ無視は株価にプラス

また、米国株についてガンドラック氏は次のように述べている。

株式市場は勿論、パウエル氏がインフレを重視しなかったことを歓迎した。

インフレ無視は当然株価にとってプラスである。しかし、ではインフレ率はこれからどうなるのか。ガンドラック氏は次のように、今後のインフレについて原油価格を注視するよう奨めている。

パウエル氏は原油価格の上昇に言及するべきだったが、しなかった。

時間差はあるが、WTIの原油価格が10ドル上昇すれば、CPIのインフレ率は0.4%上がると想定すべきだ。

これは以下のCPI統計の解説記事で筆者も言及しておいたことである。

原油価格は現在以下のように推移している。

年始から上昇トレンドを継続している。このチャートは勿論ガソリンや光熱費などの上昇をもたらすだろう。

結論

インフレについては、ガンドラック氏は去年までデフレ方向で予想する一方、筆者やレイ・ダリオ氏などはインフレが簡単には収まらないと予想してきた。

そして実際、CPIや雇用統計の数字はインフレの粘り強さを示している。

それを受けてガンドラック氏の見方も変わったらしい。彼はインフレ率について次のように述べている。

インフレ率はもはや今年前半の間は3%より下には下がらないだろう。このまま行けば年末までにはそうなるだろうが。それが今回の会合を聞いて思ったことだ。

筆者は年末までに2%台に下がるかどうかも確定的とは言えないと考えている。

投資家はパウエル議長の姿勢を踏まえてポートフォリオを構成するべきだろう。ラリー・サマーズ氏やスタンレー・ドラッケンミラー氏がパウエル議長に対して持っていた懸念を思い出すべきである。