米国版アベノミクスによるドル下落で銅価格は上昇するのか?

アメリカではトランプ政権が財政赤字の問題を金融緩和で解決しようとしており、2026年の金融市場ではドルの価値下落が投資テーマとなっている。

ドルの代わりとしてゴールドやシルバーが高騰しているが、今回の記事では紙幣の代わりとして銅を買うのはどうかを考えたい。

ドルの代わり

前回の記事で、スタンレー・ドラッケンミラー氏がドルの代わりとして銅を推していた。

更に、ドラッケンミラー氏はゴールドも持っているが、ドルの下落に賭けるトレードというよりは地政学トレードだと言っていた。

現状、ゴールドも銅も上がっているのだが、上がり方はゴールドの方が大きい。以下は金価格のチャートである。

以下は銅価格のチャートである。

貨幣価値下落時の銅価格

ドラッケンミラー氏はゴールドよりも銅の方をドルの代わりだと考えているようだが、それはどうなのか? ドルの価値が下がるとき、銅価格は上がるのだろうか。

その答えは既に出ている。過去にドルの価値が下がった時に銅価格がどうなったかを調べれば良い。

例えば1970年代に金融緩和のやりすぎで物価が高騰した時に、銅価格がどうなったかである。掲載できるチャートとしてはPPI(生産者物価指数)の銅および銅製品の物価指数があったので、それを掲載するとこうなる。

上がってはいる。上がってはいるのだが、10年間で2倍程度の上げ幅である。

以前からのここの読者であれば、もうこの時点で結論は出ただろう。だがより詳しく説明すれば、1970年から1980年までの10年間で物価そのものが2倍以上に上がっている。つまり、銅価格は物価上昇にはついて行っているが、物価と同じ程度の値上がりしかしなかったということになる。

結論

「物価と同じ程度の値上がりしかしなかった」というのは、これもここの読者なら分かるだろうが、1970年代には金価格と銀価格が数十倍に上がっているからである。以下の記事で詳しく解説している。

これは、当時インフレを恐れた人々が、ドルの代わりにゴールドとシルバーを買い漁ったことによる。ここでは、現代においても同じことが繰り返されるという予想から、2年前からゴールドとシルバーの推奨記事を書いてきた。それが的中したのである。

過去の相場に注目することは重要である。インフレである銘柄が上昇するかを考えるとき、その結果は過去の相場で既に出ているかもしれないからである。

ドラッケンミラー氏はゴールドより銅が良いと言っていたが、筆者としてはドルの代わりとしてはやはりゴールドとシルバーだと考えている。

一方で、ドラッケンミラー氏が言っていたように、AIの普及に伴う電力需要の増加で銅の上昇に賭けるのは、悪くないトレードだろう。