インフレ相場で個人投資家でもコモディティに投資する方法

ここでは連日報じてるが、コロナ対策の金融緩和と現金給付でアメリカでは物価高騰が始まっている。

金融市場ではこれに先んじて貴金属や燃料、穀物などコモディティ銘柄の上昇トレンドが始まっており、今回の記事では個人投資家でもコモディティ投資を行う方法を取り上げたい。

コモディティETF

コモディティは通常先物としてシカゴ商品取引所などで取引されている。しかし最低投資金額が比較的大きく、多くの個人投資家にとっては手を出しづらい世界かもしれない。

しかしアメリカの株式市場にはコモディティ先物に連動するETF(およびETN)が数多く取引されており、100ドル前後の資金でトレードできるのでこれを一気に紹介したい。チャートも載せるのでこれまでのコモディティ相場の状況も一気に確認できるだろう。

金 – SPDR Gold Shares

まずはゴールドである。SPDR Gold Shares(NYSEARCA:GLD)は機関投資家も取引している大手のゴールドETFで、コロナ以後のチャートは次のようになっている。

ゴールドについてはガンドラック氏が底打ちが近いと主張している。去年夏の高騰以降、軒並み上昇している他のコモディティより安くなっているのは確かだろう。

銀 – iShares Silver Trust

次は銀である。以下はiShares Silver Trust(NYSEARCA:SLV)のチャートであり、これまでのところ金より好調である。

短期的には金の方が安いと言えるが、長期的には銀の方が割安だとジム・ロジャーズ氏が勧めていたことを思い出したい。ロジャーズ氏はコモディティ全般に強気だが、特に銀を勧めていた。

銅 – United States Copper Index Fund

そして実はコモディティ相場でも随一のパフォーマンスを示しているのが銅である。United States Copper Index Fund(NYSEARCA:CPER)のチャートを見れば金や銀よりも上がっていることが一目瞭然だろう。

銅は中国で建設資材として使われることが多く、銅の上昇はレイ・ダリオ氏などのヘッジファンドマネージャーらがコロナ以後、中国経済に注目していることと無関係ではないのだろう。

プラチナ – Aberdeen Standard Platinum Shares

金属の最後はプラチナである。Aberdeen Standard Platinum Shares(NYSEARCA:PPLT)の上がり具合は銀と同じくらいだろうか。

プラチナはディーゼル車の排ガス浄化触媒に使われており、ディーゼル車の需要が価格に影響する。

原油 – United States Oil Fund

原油のETFで最大規模のものはUnited States Oil Fund(NYSEARCA:USO)だが、原油価格がマイナスになった時に先物の取り扱いを失敗したために先物価格より大分低い位置に留まっている。実際には原油価格はもっと上がっている。

この辺りがETF投資の難しいところである。原油価格がマイナスになるような事態はそうそう起きないが、こういう実例もあるという意味でそのまま載せておく。

大豆 – Teucrium Soybean Fund

穀物に移ろう。先ずは大豆だが、Teucrium Soybean Fund(NYSEARCA:SOYB)のチャートである。

穀物を投資先として考えたことはあるだろうか? なかなかの上昇率である。

とうもろこし – Teucrium Corn Fund

金融市場には色々なものが上場している。次はとうもろこしである。バイオエタノールの原料にもなるとうもろこしはある程度燃料価格に連動している。以下はTeucrium Corn Fund(NYSEARCA:CORN)のチャートである。

砂糖 – iPath Series B Bloomberg Sugar Subindex Total Return ETN

砂糖もまたバイオエタノールの原料であり、燃料価格と連動している。iPath Series B Bloomberg Sugar Subindex Total Return ETN(NYSEARCA:SGG)のチャートは次のようになっている。

砂糖については以下の記事で特集している。

結論

以上、米国市場で取引されている主なコモディティETFについて特集した。コモディティ相場全体の見通しについてはこれまで何度も記事にしているのでそちらを見てほしい。株式市場が荒れる場合、一時的に巻き込まれる可能性があるので注意が必要である。

また、繰り返しになるがビットコインもコモディティである。

少し古い本にはなるが、ジム・ロジャーズ氏のコモディティ投資の入門書でもいくつかのコモディティの需要と供給について解説されているのでそちらも参考にしてもらいたい。このインフレ相場は投資家にとって大きなチャンスなのである。


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