ライアン・エアーが大手航空会社に航空券比較ウェブサイトの自前実装を提案

これは少し面白いニュースである。ロイター(原文英語)によれば、格安航空会社ライアン・エアー (LON:RYA、Google Finance)は、欧州の大手航空会社4社に対し、ライアン・エアーを含めた5社すべての航空券の価格を各社のウェブサイトで表示するよう提案した。

現在、顧客はExpedia (NASDAQ:EXPE、Google Finance)などのウェブサイトで複数の航空会社の航空券を比較することができるが、ライアン・エアーはこれを航空会社の公式ウェブサイトで可能にしたいということである。これが実現すれば、Expediaなどの航空券比較ウェブサイトは必要ではなくなる。

ライアン・エアーのオリアリーCEOは「サードパーティの航空券比較ウェブサイトの必要性が理解できない。これは大手航空会社が協力して行うべき事柄だと思う」と述べている。

この試みは、Expediaなどのウェブサイトを無効化するだけではなく、航空会社の売上を押し上げる効果もある。ウェブサイトで航空券を買う顧客の一部は、旅程に合わせてホテルやレンタカーなどの予約も行っており、ライアン・エアーなど航空会社の公式サイトでも、航空券購入時にホテルやレンタカーを予約できるようになっている。

こうした副次的な予約の手数料をサードパーティのウェブサイトに奪われるくらいであれば、自分たちで価格の比較を行ったほうがましだということである。

仕事を奪われる側の航空券比較ウェブサイトを運営する会社には、ExpediaのほかにPriceline (NASDAQ:PCLN、Google Finance)やOrbitz (NYSE:OWW、Google Finance)などがある。

これらの銘柄にはP/E(株価収益率)が30近いグロース株が多いが、今回の提案がもし実現すれば、高い株価の前提となる未来の収益に大きな影響が及ぶだろう。グロース株の適正株価の分析方法については、以下の記事を参考にしてほしい。