世界最大のヘッジファンド: 富裕層から富を奪おうとする社会はすぐに滅びる

引き続き世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏のLinkedInブログの内容を紹介したい。

迫りくるインフレ

ダリオ氏が遂にアメリカのインフレはもう止まらないものだと判断したらしい。前回の記事ではこうした結果をもたらした紙幣印刷と現金給付に、元々鳴らしていた警鐘を鳴らし続けた。

ダリオ氏はお金が降ってくることを期待するのではなく、ものを生産することでしか豊かになることは出来ないと説く。現金給付をしてもインフレにならない、脱炭素で原油や天然ガスの生産を減らしても原油や天然ガスが高騰しないと考えるのは基本的に現実逃避の所業である。しかし金融市場の良いところは、現実逃避をすると現実は追いかけてくるということである。

それで人々は今現実に追われている。

だが自分で生産することなく儲けようとする人々には他にも現実逃避の手段がいくらでも存在する。例えば富裕層への課税である。現金給付においても一律給付にして富裕層から課税すれば良いという意見が聞かれる。意地でも自分はただで資産を手に入れるのだということなのだろう。そんな人々に経済はインフレをプレゼントするだろう。

富裕層への課税で解決するのか?

富裕層がただでお金をくれるだろうと考える人々が見落としている事実がいくつもある。まず1つには、それが完全な共産主義だということである。ダリオ氏の以前の警告が次々に現実になる。

人々は中国やソ連が飢餓に苦しんだことを覚えていないのだろうか? それとも飢餓になりたいのだろうか? もはや筆者には人々が何を考えているのか理解不能である。それでも人々は「他人がただでくれる金」に執着し続ける。

ダリオ氏は次のように述べている。

みずから生産的になろうとすることなく、ただ富裕層の富を奪ってそれで生活しようとした社会(例えばロシア革命後のロシア)がどうなったかと言えば、貧困に陥るまでそれほど時間がかからなかった。

ただでさえ人々が働かずにお金をもらいたいと思っているのに、働いた人への報酬を減らしてどうしようというのか? ますます人が働かなくなるだけであり、その末路は共産国が既に試した。もう一度試したいというのなら止めはしないが、自分ひとりでやってもらいたいものである。

不当な利益を得ているのは誰か?

こうした人々が一番見落としている現実は、誰が不当に利益を得ているのかということである。

富裕層が不当に利益を得て裕福になったのであれば、その金は返すべきだろう。しかし富裕層が不当に得た利益とは量的緩和による人為的な株式の値上がりによるものであり、その量的緩和はほとんど株式を持っていない人々によって熱烈に支持されたのである。ファンドマネージャーら資本家は、むしろそれを痛烈に批判していた。文句はアベノミクスを支持した人々、すなわち彼ら自身に言うべきだろう。

所得税と社会保険と消費税で彼らの収入のほとんど7割近くを不当に強奪し、それを東京五輪やGO TOトラベルに費やしているのは自民党であって富裕層ではない。彼らは富裕層ではなく自民党を追放すべきなのだが、彼らはその現実から逃げ続ける。不当にも富裕層に文句を言うことは出来るのだが、彼らは自民党に文句を言うことは出来ない。彼らが一番現実逃避したい現実とはまさにそれなのである。

だから筆者は自民党が選挙で過半数を占めたとき、「日本国民はまさに自分にふさわしい政党を選んだ」と書いておいた。そして彼らは18歳以下とマイナンバーに隷属する人々への給付金と引き換えに物価高騰と更なる重税いうふさわしい末路が待っているだろう。最後にダリオ氏の言葉を置いて終わりにしたい。

紙幣を印刷してそれをばら撒いても、生産性を向上させなければわれわれは豊かにはならない。