ガンドラック氏: 今は株式より債券の方が良い

引き続き、DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏の自社配信動画でのインタビューである。

今回は債券投資と株式投資を比較している部分を紹介したい。

債券相場の浮き沈み

前回の記事でガンドラック氏は低金利の時代は終わったと宣言していた。

金利低下の時代は債券投資家にとっては苦も楽もある時代だったと言える。金利低下は債券にとって価格上昇を意味するが、一方で低金利とは当然金利によるリターンが少ないことを意味する。

特に金利がゼロになってからは債券投資家にとっては地獄だった。ガンドラック氏はゼロ金利の時代を次のように振り返っている。

債券市場は7年も迷宮の中に放り込まれていた。あれは拷問だった。金利はまったく付かない。インフレは金利より高い。政策金利は永遠にゼロだった。

2021年にはこういう瞬間があった。伝統的な債券投資で5%の金利を得ようと思ったら、ジャンク債をレバレッジ1.5倍で買ってデフォルトしないことを祈るしかなかった。ジャンク債の金利が3.5%だったからだ。

しかしそれをやった人は今頃破産しているだろう。債券の価格下落で大損した上に、レバレッジをかけるための借入コストが金利を上回っているからだ。

金利低下(つまり債券の価格上昇)の時代は、コロナ後のインフレと金利上昇(つまり債券の価格下落)によって終わった。1980年から金利は低下し続けたが、40年の債券バブルが崩壊したわけである。

それまでは債券の金利は地に這い、債券を買っても金利がインフレに負けてしまうという債券の存在意義が疑われる状況が続いていた。

一方で、長い債券市場の歴史には別の状況もある。ガンドラック氏は次のように続けている。

わたしが金融業界で働き始めた時には国債の金利は14%もあった。前年同月比のCPI(消費者物価指数)のインフレ率は4%だった。

実質金利は10%もあった。そして誰も債券を買おうとはしていなかった。

ほぼゼロ金利の国債に投資家が殺到した時代もあれば、実質金利10%の国債に誰も見向きもしなかった時代もあった。相場とはそういうものである。

コロナ後の債券市場

では、今はどうなのか。量的緩和による債券バブルは終わり、価格は大幅に下落して金利が戻ってきた。

長期的には、ガンドラック氏は金利は上昇してゆく(つまり債券価格は下がってゆく)と前回の記事で述べていた。

しかし中期的には別の考えがあるらしい。ガンドラック氏は次のように述べている。

2年、3年、5年物あたりのB格付けやBB格付けの債券を買うのは合理的だ。ベースとなる国債の金利が高い上に更に上乗せがある。

BB格付けの銀行ローンも良い。金利が高止まりしてもデフォルトしないだろう。

例えば2年物国債の金利は4.9%なので、国債よりもリスクの高い社債などの債券はそれ以上の金利が得られることになる。

だからガンドラック氏はこう続けている。

こうした債券を買えば7%から8%のリターンが得られる。

国債の金利に1.5%か、もう少しリスクを取れば2%の上乗せのあるポートフォリオを組むことは簡単だ。しかもそれほどのリスクもない。

景気後退と債券市場

長期的には金利は上昇すると考えているガンドラック氏が債券投資を好ましいと思っているのは何故か。

それは、ガンドラック氏がアメリカの景気後退は避けられないと考えているからである。インタビューで今年かと聞かれて顔をしかめたが、来年かと聞かれて妥当だろうと返している。

そして景気後退が起こった時にはどうなるか。ガンドラック氏は次のように予想している。

ひとたび経済が減速したり、景気後退に陥ったりすれば、債券価格はパブロフの犬のように上昇で反応するだろう。

だがその後は前回の記事の通り、景気後退に対する大幅な財政出動でまたインフレが加速し、金利は上がってゆくというのがガンドラック氏の予想なのである。

結論

だから2年から5年物の債券を保有して、短期的には金利は上がるかもしれないが、満期まで保有して今の7%や8%の金利で満足する戦略も悪くないとガンドラック氏は考えているのだろう。筆者もそう思う。

彼は次のように纏めている。

だから再び債券が面白い状況になりつつある。そしてほとんどの伝統的な株式投資よりも十分に割安だと言えるだろう。

ちなみにガンドラック氏は株式では米国株よりもインド株と日本株を薦めている。