世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏が、自社の50周年記念のインタビューで様々な話題に答えている。
Bridgewater50周年記念
1975年にダリオ氏がマンションの1室で創業したBridgewaterは今年で50周年を迎える。そして同時にダリオ氏はBridgewaterの株式をすべて売却し、Bridgewaterはダリオ氏から完全に独立することになる。
今回のインタビューはそれを記念して、ダリオ氏と司会者がBridgewaterの社員向けにBridgewaterのこれまでの歴史を振り返りながら喋っているものである。
1975年にマンションの1室で創業した話から、1985年に世界銀行のお金を預かって運用することになった話までBridgewaterの歴史の総ざらいである。世界銀行の話については以下の記事で触れている。
Esquire誌のインタビュー
今回はその中から、Esquire誌からインタビューを受けた時の話を紹介しよう。司会者は次のように当時のことを振り返りながら、ダリオ氏に話している。
1995年、Esquire誌があなたに連絡を取った。レイ、あなたのところまで行ってインタビューがしたいと。あなたはいいよと言った。
だがインタビューが予定されていた時間に何かが起こって、彼らが来た時にはあなたはインタビューを受ける時間がない状態になっていた。
だからあなたは言った。この人はグレッグ・ジェンセンで、わが社のインターンの学生だ。彼がインタビューを受ける。
そんなことがあるのだろうか? 世界屈指のヘッジファンドマネージャーをインタビューするためにわざわざ出張に行ったら、何故かそこのインターンの学生をインタビューすることになっていた。
しかもインタビューは本当にそのまま行われた。司会者の人は次のように続けている。
1995年のEsquire誌の表紙がわが社のインターンに。何をどう考えてそういうことになったのですか?
ダリオ氏は笑いながら次のように答えている。
彼は確かにインターンだった。でも、非常に優秀なインターンだったんだ。
普通の感覚なら説明になっていないが、それがダリオ氏の経営感覚なのである。
結局出世したインターン
さて、知っている読者もいるかもしれないが、この当時のインターンであるジェンセン氏は、今のBridgewaterの共同投資責任者である。
ダリオ氏は自分が忙しかったからランダムにインターンの学生を自分の代わりにインタビューに立たせたわけではなく、ジェンセン氏が特別優秀だったから、こういう状況では彼を立たせるのも面白いと考えたのだろう。
だがそれを実行できる経営者はなかなかいないだろう。ダリオ氏の経営観をよく表した逸話ではある。
ここではダリオ氏の相場感だけ紹介することが多いが、ダリオ氏の仕事に対する考え方を知りたい人には、ダリオ氏の著書で『PRINCIPLES 人生と仕事の原則』という本もあるので紹介しておく。