「株式市場」カテゴリーアーカイブ

ルーブル急落で世界的リスクオフ: ドル円、不動産株をレビューする

ロシアルーブルを始めとする新興国・産油国通貨への懸念から、世界の金融市場でリスクオフの動きが進んでいる。

円やユーロが買われていることから、ドル高の動きではなく、各国の不動産株が売られていることから、デフレを懸念しているわけでもない。これまで蓄積されてきたグローバルマクロ的なポジションが、クリスマス休暇前ということもあり決済されているのである。今回は、とりわけドル円と各国の不動産株について、簡単にレビューしたい。 続きを読む ルーブル急落で世界的リスクオフ: ドル円、不動産株をレビューする

量的緩和相場は数年の熱狂のあと世界的なバブル崩壊で終わる

世界的な株高、債券高が進行している。FRBによる量的緩和の役割は日銀、ECB(欧州中央銀行)へと引き継がれ、FRBが緩和縮小を示唆したときの市場の動揺は消え失せた。この株高、債券高の傾向は今後も続くと思われるが、しかしこの量的緩和相場が行き着く先は何処であるのか、そしてそこへ辿り着くまでに市場はどのような道筋を辿るのかということを、今のうちに考えておくことは必要である。 続きを読む 量的緩和相場は数年の熱狂のあと世界的なバブル崩壊で終わる

景気後退にもかかわらずオフィス空室率は良好、企業の設備投資が個人消費の衰えを補う

前回の記事では消費増税後の日本の個人消費の衰えを確認したが、GDPの内訳において住宅投資がマイナス成長であるにもかかわらず、三鬼商事の発表するオフィスレポートでは、オフィスの空室率は10月に至るまでいまだ改善傾向にあることが示されている。

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消費増税の悪影響は金融緩和、財政出動ではフォロー不可能

今月17日に発表された日本のGDPは2期連続でマイナス成長となり、景気後退入りが確認された。一般の報道では「アベノミクスでも拭えないデフレの悪影響」であるかのように報じられているが、景気後退の原因は4月に行われた消費増税である。より悪いことに、消費増税による悪影響は現状の金融・財政政策では拭いがたいものであり、量的緩和・財政出動以外の政策が求められる。まずはGDPの内訳を確認してゆきたい。

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過熱するロンドンの住宅価格: イングランド銀行副総裁「中銀にできることはない」

ロンドンの住宅市場が加熱している。その事実自体はニュースではなく、ロンドン市民は毎年値上がりする家賃に長らく不満を抱いてきたが、状況が改善する兆しは見られない。下記はイギリス全土と大ロンドン市の住宅価格の年次変化率である。

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EU首脳会議はユンケル氏を欧州委員長に指名、安定成長協定の柔軟運用も確認

26-27日に開かれたEU首脳会議では、大方の予想通り元ルクセンブルク首相のユンケル氏が欧州委員長として指名された。欧州理事会によって指名された候補は欧州議会によって承認される見通し。また、イタリアのレンツィ首相の主導により、EU加盟国の財政赤字を制限する「安定成長協定」の柔軟な運用が議論され、財政赤字がGDP比で3%以内の国に対して財政再建を猶予する規定の積極利用が確認された。順にこれらの決定をレビューする。 続きを読む EU首脳会議はユンケル氏を欧州委員長に指名、安定成長協定の柔軟運用も確認

EU首脳会議前夜: 欧州の建設株は結果待ちで調整入り

26-27日にブリュッセルでEU首脳会談が開かれるが、次期欧州委員長は元ルクセンブルク首相のユンケル氏で決まりそうである。英キャメロン首相の反対工作は奏功せず、フランスやイタリアは緊縮規定の機動的運用を条件に支持をする意向で、イギリスに追従してユンケル氏に反対しているのは、ハンガリーのオルバーン首相くらいである。 続きを読む EU首脳会議前夜: 欧州の建設株は結果待ちで調整入り

欧州委員長人事で英キャメロン首相が孤立、伊レンツィ首相は英国を踏み台に緊縮緩和を要求

次期欧州委員長の人事で英国のキャメロン首相が孤立している。キャメロン首相はドイツが推薦する元ルクセンブルク首相のユンケル氏の欧州委員長就任に強く反対し、彼が欧州委員長となった場合、英国はEU離脱の可能性もあるとしてドイツと交渉を続けてきたが、こうした状況を見たイタリアのレンツィ首相は「経済成長と雇用創出を重視する考えがあるならば、人物自体は誰でもよい」として、ユンケル氏が緊縮財政の緩和について譲歩する場合、彼を支持する用意がある考えを示した。イギリスが勇み足でEU離脱という最後のカードをちらつかせた状況を利用して、より穏やかな譲歩案を提示した形となる。 続きを読む 欧州委員長人事で英キャメロン首相が孤立、伊レンツィ首相は英国を踏み台に緊縮緩和を要求

失業率と保険非加入率の関係: 雇用創出の恩恵を受けるセクターはどこか

政府が失業率を抑制するために雇用創出に動くとき、恩恵を受けるセクターは様々あるが、中でもその時の流行や個人の嗜好に極力影響されずに売上を伸ばす商品は、健康保険である。下記に米国の家計所得別の健康保険非加入率のグラフを示す。

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ECBの会合前に見るユーロ、ドイツ国債、不動産株

日本時間で5日の20時45分からECB(欧州中央銀行)の金融政策決定会合が予定されている。この会合は、前回の会合でドラギ総裁が金融緩和の可能性に言及したことで非常に注目されている。 続きを読む ECBの会合前に見るユーロ、ドイツ国債、不動産株