個別銘柄フォローアップ: Gecina、CNNC International、平和不動産

以前紹介した個別銘柄の現状を確認する。

順調に上昇しているが、いまだポジションを始められる水準である。ECBの緩和に賭けるのであれば、ユーロ売りではなくこちらだろう。来月にECBが量的緩和を始めない場合は、来月の会合から量的緩和までの間にもう一度買い場が来ることになる。

既に上昇しているベルリンの不動産株との対比で言えば、フランス経済の回復はドイツに比べ弱々しいが、パリはベルリンに比べ企業群が密集しているため、構造的にはロンドンのような価格上昇を見込むことができる。ロンドンでの地価高騰がつぎに波及するとすればパリであろうことも重要である。

ウラン先物価格の下落により、ウラン採掘に係わる会社の株価が国際的に総じて下落するなかで、株価水準をほとんど下げることなく推移している。Global Xのウラン採掘会社ETF(NYSEARCA:URA)とチャートを比較すれば、相対的パフォーマンスは明らかである。

これは世界で原子力発電の増強にもっとも積極的な国が中国だからであり、中国で建設中の原子炉の数が、この銘柄の将来の売上高を物語っている。一方、日本では再稼働の問題、フランスでは原子炉老朽化の問題があり、世界のウラン採掘会社全般の業績見通しにはまったく懸念がないわけではない。しかし中国は、環境汚染が深刻な石炭発電をすべて再生可能エネルギーで補うことのできない以上、原発に頼るほか手がないのである。

今年に入っての安値圏を脱しつつある。日本市場に関してはほとんど言うべきことがない。安いものを確実に買ってゆくだけである。欧米の市場に比べて日本市場はいつも非常に非効率である(適正価格からの乖離が続きやすい)ことで有名であるが、安く買い、高く売るほかにできることがあるわけでもない。欧米の市場のようにとっさのトレーディング判断が必要とされない分、投資家はゆったり構えていればよいだろう。

また、世界的には英国株が割安である。株式以外では、今後は日本国債や銅などに面白い投資機会が出てくるだろう。米国の輸出解禁を見込んで進んでいた、天然ガス先物の米国と欧州の価格ギャップ縮小は一段落か。インドネシアの禁輸により高騰していたニッケルについては、今後インドネシアがどのように輸出を解禁するのかを長い目で見てゆくことで、何らかの投資アイデアが得られることだろう。