EU、食料価格高騰の最中、代替食品としてトノサマバッタを推奨

世界的な物価高騰がどの国でも話題になっている。それはエネルギー価格に限らず、食料品などの価格でも同じことであり、各国は様々な対策を講じているようである。

物価高騰と食糧危機

日本でもインフレは話題になっているだろうが、アメリカやヨーロッパの状況はその比ではない。特に産油国でもないにもかかわらず、無意味なロシア制裁と脱炭素政策をしてしまったヨーロッパでは悲惨な状況となっている。

真夏や真冬でも冷暖房が使えない状況を想像できるだろうか? それがヨーロッパの現実である。政治的イデオロギーにかまけて現実を忘れた人々の末路である。

しかし不足しているのはエネルギーだけではない。何故ならば、とうもろこしや大豆などの一部の農作物はバイオエタノールの原料となるため、エネルギー価格とある程度連動するからである。

そして畜産の飼料になる農作物の価格が上がれば肉類の値段も上がる。更に、プラスチック製品の原料も原油である。

このように、原油価格はあらゆる物価の源泉なのである。金融市場ではこれらのものの価格はピークを付け始めているが、消費者が店舗で買う製品の価格にまで浸透するにはまだ数ヶ月以上かかるだろう。

食糧危機への起死回生の一手

ということで、エネルギー不足で苦しんでいるヨーロッパでは、食料価格の高騰も深刻である。日本人には想像しがたいだろうが、スーパーの棚が空になっているようなところも多い。

こうした問題を解決するために立ち上がったのがわれらがEUである。EUの運営組織である欧州委員会の公式Twitterアカウントは、人々を救うために次のようにツイートしている。

お菓子や料理の材料などのための「新食料」として、EUでは現在3つの昆虫が認可されていることをご存知ですか?

イエコオロギとミールワームとトノサマバッタはEUの市場で「新食料」として認可されている3つの昆虫です。

とても有難い情報である。

ちなみにこのツイートは勿論Twitterユーザの批判に晒されており、追い込まれた欧州委員会は弁解するために更に次のようにつぶやいた。

昆虫を食べることは安全です。人体にリスクがないと分かった場合にのみ、新食料は認可されます。

これもまた有難い情報である。ただ、人々が反発しているのは恐らくそういう問題ではないのではないか。

それでも批判が止まないので、欧州委員会は次のようにツイートしている。

昆虫を食べたいかどうかを決めるのはあなた次第です!

新たなタンパク源として昆虫を使うことは新しいことではなく、昆虫は世界の多くの地域で普通に食べられています。

試してみましょう?

欧州委員会の昆虫推しが止まらない。

結論

「パンがなければブリオッシュを食べれば良いじゃない」と言ったヨーロッパの先人はマリー・アントワネットではなかったらしいが、それが誰であれ欧州委員会の卓越した発想力はその上を容易に超えてゆく。

ヨーロッパの政治を見ていると、彼らはもはや自分を犠牲にして世界にジョークを提供してくれているとしか言いようがない。

引き続きヨーロッパの政治を静かに見守りたい。