ジム・ロジャーズ氏: 中国バブル崩壊は底を打ったかもしれない

ジョージ・ソロス氏とともにクォンタム・ファンドを設立したジム・ロジャーズ氏がSoar Financiallyのインタビューで中国経済の見通しについて語っている。

中国の不動産バブル

中国経済は明らかに大きな問題を抱えている。状況が大きく取り上げられたのは2021年に中国の大手不動産ディベロッパー恒大集団が中国のGDP2%分の負債を抱えて倒産危機に陥った時だろうか。

この背景には長年続いてきた中国の不動産バブルがある。詳細はジョージ・ソロス氏が解説してくれているので、そちらを参照してもらいたい。

それから2年が経ち、中国経済はどうなっているだろうか。ロジャーズ氏は次のように語っている。

中国にはコロナ禍と巨大な不動産バブル崩壊があった。中国は問題を抱えており、株式市場が下落している。それが経済停滞に繋がっている。

米国株が史上最高値付近を推移する中、上海総合指数は次のように推移している。

2020年前半のコロナ危機の時の株価水準まで落ち込んでいる。

不動産バブルはいつ終わるのか?

だが投資家は株価が上がっている時にいつ落ち始めるかを考え、下がっている時にいつ上がり始めるかを考えるものである。

恒大集団がニュースになってから2年が経つが、中国経済についての最近(夏頃)のニュースは、若年層失業率が20%以上になったというものである。中国はその後若年層失業率の公表を停止した。

一説には若年層失業率は40%以上に達しているという指摘もある。だが筆者がそれを聞いて思ったのは、もしかしたら中国経済の底打ちをそろそろ考えた方が良いのではないかということである。

何故ならば、ここの読者はよく知っての通り、失業率は経済サイクルにおける遅行指標だからである。失業率の上昇よりも先に起こるのはGDPの減速や株価の下落であって、失業率が高騰している時には経済減速のサイクル終盤に差し掛かっていると言っていい。

とはいえ統計を信用できない中国では底打ちのタイミングを見極めるのは簡単ではない。しかし今回興味深いと思ったのは、ロジャーズ氏が中国経済の問題を指摘した上で次のように言っていたからである。

だがほとんどの問題は終わりに向かっている。住宅バブルの終わりは見え始めている。コロナに関する諸問題も終わりかけている。

もしそれが正しければ、中国は投資の対象として悪くない。中国は非常に勤勉な人を大量に抱えた巨大な経済だからだ。

どういうデータからその兆候が読み取れるだろうか。統計は必ずしも信用できない。一番信用できる(が経済統計ではない)のは市場の動きである。ロジャーズ氏は次のように言っている。

鉄鉱石の価格が上昇している。その理由は部分的には、中国経済が底打ちしたかもしれないという期待によるものだ。

鉄鉱石の価格チャートがどうなっているかというと、次のようになっている

ダウントレンドから抜け出して上昇し始めている。特にコモディティ市場全体が好調とは言えない2023年において、無視できない動きではある。

中国経済についてはデータが少なく確かなことは言えない。だがどちらかと言えば底打ちを考慮に入れて中国経済を考え始めるべきだという点においては、ロジャーズ氏に同意している。

ただ株価はどうだろうか。今の共産党内部は中国企業にかなり非友好的だ。レイ・ダリオ氏が中国政府内部の問題を指摘しているのでそちらも参考にしてもらいたい。