ジャンク債反発と原油価格低迷は両立しない

新型コロナ株安であらゆる資産クラスが激しい値動きをする中、株式などここ数日で反発している資産もある中、安いまま放置されている資産もある。このように荒れた相場では本来の価値から離れた動きを見せる銘柄もあり、投資家にはその乖離を取る機会が与えられる。

原油とジャンク債

さて、下がったままの銘柄筆頭は原油である。

米国シェール企業の損益分岐点は40ドル台であり、20ドル近辺という水準は産油コストの低いサウジアラビアやロシアでさえもそれほど利益の出ない水準である。しかし飛行機が飛ばない状況はあと数ヶ月は続くと見られるなか、この価格でもサウジアラビアは原油の買い手を見つけられないとの報道もあり、短期的には原油価格の頭が抑えられているのも合理的な動きである。

さて、その一方で株式以外に反発しているのが信用の低い企業の債券、いわゆるジャンク債である。ジャンク債を集めたジャンク債ETFのチャートは次のようになっている。

急降下の後の急反発である。ジャンク債についてある程度知っている読者ならばもうお分かりかと思うが、この原油とジャンク債の動きは両立しないのである。

ジャンク債の発行主体

そもそもジャンク債の主な発行主体はアメリカのシェール企業なのである。

シェール企業は従来の掘り方では採掘できなかった場所にある原油も掘れる代わりにサウジやロシアなどの掘り方よりも産油コストが高くなり、原油価格が50ドル以上という前提で借金をして採掘施設を作っているので、原油価格が20ドルではシェール企業の発行したジャンク債が返済される見込みは薄い。

よってジャンク債の反発と原油価格の低迷という動きは両立せず、原油価格が上がらないにもかかわらずジャンク債ETFがもし80ドルか82ドルを超えて反発するようであれば空売りを仕掛けていける可能性がある。同時に原油の買いを行えば効率の良いクロスポジションとなるだろう。

結論

こういう上下動の激しい(ボラティリティの高い)相場ではこういう矛盾が頻繁に起こる。数多くのチャートを毎日しっかり見てしっかり考えればそういう機会を見つけることができるはずである。今の相場は投資家にとって最高の書き入れ時である。チャンスを逃さないようにしてゆきたい。