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3月の米国FOMCは利上げなし、結果発表後の世界の金融市場チャートを見る

3月15日から16日まで行われた米国FOMCの金融政策決定会合では、政策金利の維持が決定された。決定は満場一致ではなく、カンザスシティ連銀総裁のジョージ氏が0.25%の利上げを主張したが否決された。ジョージ氏はタカ派で知られる。

発表された声明は下記の記事で取り上げた1月のものとあまり変わっていないが、原油価格や株式市場が反発したにもかかわらず、「世界経済と金融市場の動向は引き続きリスクとなっている」との表現を記載し、1月に引き続き市場への配慮を示した。

現在の市場の回復を考えれば、個人的にはFed(連邦準備制度)はもっとタカ派になって良いと考えていたので、その予測からすれば今回の発表はハト派ということになるだろうか。市場もそのように受け取ったようであり、ドルが下落、金価格などが上昇している。順にチャートを見てゆこう。

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1月FOMC会合結果速報: 利上げはなし、世界経済と金融市場への懸念を表明

米国時間1月27日、Fed(連邦準備制度)は金融政策決定会合であるFOMC会合を行い、2015年12月に引き上げた政策金利をそのまま維持することを全会一致で決定した。

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12月FOMC会合結果速報: 声明文はハト派だが想定通りでサプライズはなし

先に報じた通り、Fed(連邦準備制度)は2008年の金融危機後初めての利上げを決定した。

前回の記事で予告した通り、今回の記事では利上げと同時に発表された声明文の分析に移りたい。先ず利上げの理由として挙げられているのは、主に経済状態と労働市場の改善見込みである。

今後段階的(gradual)に調整される金融政策のもとで、経済活動は穏やかに拡大し、労働市場の指標は強化されると予想している。

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12月FOMC会合結果速報: 米国は利上げを決定、金利正常化へ

米国時間12月16日、Fed(連邦準備制度)は政策決定会合であるFOMC会合で、フェデラル・ファンド金利を0.25%引き上げることを決定した。2008年の金融危機以来初めての利上げであり、米国は遂に長年のゼロ金利から離脱したことになる。

イエレン議長はこれから行われる記者会見で今回の政策決定について説明する。金融引き締めに対する市場の動揺を解消するため、今後の利上げのペースが緩やかになることを説明すると予想されている。

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12月のFOMC会合で米国利上げはどうなるか? ドルへの影響は?

周知の通り、Fed(連邦準備制度)の政策決定会合である12月のFOMC会合において米国が利上げをするという観測が高まっている。日程は米国時間で12月15日から16日であり、16日に決定事項および議事録の発表、そしてイエレン議長の記者会見がある。

連銀総裁たちから12月に利上げをするというメッセージが散々出された後であり、今回の会合で利上げがあるというのが共通見解となっていたが、11日金曜日の市場急落で米国のハイイールド債市場が総崩れとなっており、これが利上げに影響を与えるかどうかが注目されている。16日に利上げがあるのかどうかも含め、どういう点に注目してゆくべきかを説明したい。

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米国10月FOMC結果速報: 利上げはなし、声明では12月の利上げ可能性を再確認

米国時間で10月28日、Fed(連邦準備制度)は政策決定会合であるFOMC会合を開催し、政策金利の維持を決定した。

金利の維持に反対したのは前回と同じくリッチモンド連銀総裁のラッカー氏のみで、0.25%の利上げを主張した。

一方で、会合後に発表された声明では12月の利上げ可能性に言及し、「次回の会合で政策金利を引き上げるのが適切かどうかを決定するために、完全雇用と2%のインフレという目的への経済状況の進展を評価することになる」とした。

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米国利上げ: 10月のFOMC会合でFedの利上げはないが、非常に注目すべき会合である

米国の中央銀行、Fed(連邦準備制度)は米国時間で10月27日から28日、金融政策決定会合であるFOMC会合を行い、利上げについて議論を行う。結果は28日に発表される。

個人的には10月の利上げはないと考えており、市場の意見も同様のようである。金利先物市場は10月利上げの確率を5.7%としている。利上げがないと考える理由は以下の通りである。

第一に、Fedから次の会合で利上げをするというメッセージが出ていない。Fedが金融引き締めに動く際には、市場を驚かせないよう事前に記者に情報をリークするなどして、投資家に心の準備をさせるものであるが、現時点でFedのそういう動きは見られていない。

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アトランタ連銀総裁がFOMC会合の結果と今後の利上げについて語る

9月16日から17日のFOMC会合を終え、Fed(連邦準備制度)の連銀総裁たちが今回の決定についてコメントをしているが、そのうちアトランタ連銀総裁のロックハート氏の発言のなかに重要なコメントがあったので言及しておきたい。

ロイター(原文英語)によれば、Fedは今回の会合で政策金利を維持することを決めたが、この決定についてロックハート氏は「現在の市場のボラティリティに対するリスク管理という観点に多くのウェイトを置いて判断した」と述べており、市場の不安定性を考慮したことを表明した。

また、ボラティリティは「より本質的な病巣の兆候」(a symptom of more fundamental ills)である可能性があるとし、進展をもう少し見守るのが良いと考えたとした。

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米国利上げは延期、やや不可解なFOMC結果をどう解釈するか

速報でも報じたように、 9月17日、Fed(連邦準備制度)は政策金利を維持し、利上げを先送りにする決定を下した。今後の方針については、引き続き多数の会合参加者が年内の利上げを想定しているという従来の表現を続けたのみで、利上げについてこれまで以上の情報発信をすることはなかった。

表題に「不可解な」と書いたのは、以前の記事での予想、つまり、利上げをしない場合は近日中の利上げをはっきりと表明するという想定が外れたからである。この想定が外れた場合に何が不合理であるのか、そしてその矛盾は何を暗示しているのかを、この記事で考えてみたい。 続きを読む 米国利上げは延期、やや不可解なFOMC結果をどう解釈するか

FOMC結果速報: 利上げをしなかった理由、イエレン議長の記者会見の抜粋

第一回目の速報で述べたように、Fed(連邦準備制度)は米国時間9月17日、FOMC会合で利上げをせず、政策金利を維持することを決定した。

会合の結果が発表された後、議長のイエレン氏の記者会見が行われており、今回の記事ではその内容の重要な部分を抜粋して紹介する。以下の通りである。 続きを読む FOMC結果速報: 利上げをしなかった理由、イエレン議長の記者会見の抜粋