ガンドラック氏: アメリカは利下げする、しなければ実体経済の何かが壊れる

引き続き、DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏のCNBCによるインタビューである。今回はFed(連邦準備制度)が利下げをすることを予想している箇所を紹介したい。

ガンドラック氏の米国経済見通し

ガンドラック氏は一貫してアメリカ経済に弱気である。もう1年ほど弱気のままなのではないかと思う。

Fedは今月のFOMC会合で年内にあと2回の利上げを表明したが、前回の記事ではガンドラック氏はその可能性を否定していた。

だがガンドラック氏の予想はそれだけではない。彼は続けて次のように言っている。

失業率がFedの予想通りに上昇するのであれば、Fedは利下げすると思う。

何故か。ガンドラック氏は続けて次のように言う。

Fedがドットプロットで景気後退を予想しているのは非常に興味深い。

ドットプロットはFOMC会合参加者の経済予想をプロットしたものだが、実質GDPの予想を見ると、2025年まで景気後退を予想している参加者は誰もいない。

失業率と景気後退の関係

だがガンドラック氏が注目するのはFedの失業率の予想である。彼は次のように述べている。

人々はFedが経済見通しを強気修正したように思っているが、Fedは今でも失業率が底から0.75%から1%上がることを予想している。

アメリカの失業率は次のようになっている。

コロナ後の底は3.4%である。Fedはこれが今年の末には4.1%、来年末には4.5%になることを予想(ドットプロット中央値)している。

それが景気後退とどうつながるのか? ガンドラック氏は次のように述べている。

歴史的には、失業率が底から0.5%上がる時には、間違いなく景気後退になっている。しかもその後結局失業率は2%以上上がることが多い。

失業率と景気後退の関係を長期チャートで見ると、次のように失業率上昇のあとには景気後退が来ていること、失業率上昇はそう簡単には止まっていないことが分かる。灰色の期間が景気後退である。

銀行危機は継続する

ガンドラック氏は更に、金利が低下を続けていることを弱気予想の根拠とする。彼は次のように述べている。

9ヶ月前に話した通り、米国債の金利は一番短期の箇所を除けば去年にピークを越えたと思う。2年物国債の金利でさえ大きく下がっている。元々5%を超えていて、今は4.75%だが、それでも前より下がっている。

2年物国債の金利は以下のように推移している。

金利は高止まりしている。そしてそれが原因となってシリコンバレー銀行などの破綻が起きた。

ガンドラック氏はこう続ける。

繰り返しになるが、Fedは利上げをするのが遅すぎた。(中略)そのために長期金利はFedの見逃したインフレを予想して大きく上がり、それが地方銀行における現在の銀行危機を引き起こし、3つの銀行が破綻することになった。

Fedが2021年にインフレを放置したことが状況を悪化させたという見方である。

当時、Fedはインフレにもかかわらず金利を低く保ちすぎたが、ガンドラック氏は今度はFedは金利を高く保ちすぎることで失敗すると予想している。

彼はこう纏めている。

もしFedが宣言している通りの道筋を歩むならば、経済の中で何かが壊れるだろう。彼らはそれを意図しているのかもしれないが。

リーマンショックの時のように、ベアスターンズの破綻の次にリーマンブラザーズの破綻が起こるというわけだ。

それはもう1人の優れた債券投資家だったスコット・マイナード氏が去年末、死の直前に予想したことでもある。

2人の債券王の予想は当たるだろうか。一方で、ゾルタン・ポジャール氏は高金利の継続を予想している。そちらも参考にしてもらいたい。