ポールソン氏: 奇跡の復活を遂げたギリシャ株はまだまだ上がり続ける

引き続き、リーマンショックを予想したことで有名なPaulson & Coのジョン・ポールソン氏のCapital Link主催の会議における講演である。

ギリシャ推しのポールソン氏

ポールソン氏はギリシャ推しであり、講演ではギリシャ経済をべた褒めしている。この講演がギリシャで行われているということもあるが、実際にポールソン氏はギリシャに対して大きな投資を行なっている。

その理由は2019年に就任しコロナ後の経済政策を担ったミツォタキス首相の経済政策である。ミツォタキス氏はコロナ後に政府債務を減らしながら株高とドイツ以上の経済成長を実現している。

借金漬けのギリシャ経済が政府の無駄な支出の削減によって息を吹き返したというわけである。ポールソン氏は次のように述べている。

ミツォタキス政権のこれまでの功績は大きく、しかも多岐にわたっている。問題は将来がどうなるかだ。

これまでの記事でも取り上げているが、ギリシャ株はもうかなり上がっている。今回は個別株のチャートを取り上げるが、例えばポールソン氏が2021年に投資し、約18%を所有している大手銀行のPiraeus Bankの株価チャートは次のようになっている。

ギリシャ市場はまだ上がるのか?

投資家として気になるのは、このギリシャの株式市場の上昇が乗り遅れた船なのか、あるいはこれからも上がり続けるのかということである。

その問いについてポールソン氏は次のように答えている。

わたしには、このギリシャの転換と変革は始まったばかりのように見える。

この好ましいトレンドはミツォタキス首相の2期目が続く今後4年は継続するだろうし、より重要なのは、ギリシャがもしその後の政権でも投資を呼び込む現在の経済政策を継続するならば、ギリシャの繁栄は今後何十年にわたって続くかもしれない。

その背景にあるのは、ギリシャ経済が何処を目指しているのかについての見方である。

ポールソン氏はギリシャがアイルランドのように海外からの投資を引き込んで豊かになるシナリオを思い描いている。彼は次のように言う。

ギリシャの1人当たりGDPはドイツのおよそ半分だが、ギリシャがその差を縮め続け、いつかドイツを追い越すことが出来ないと考える理由はない。

アイルランドは経済成長を過激なほど重視した政策を取り続けることで世界有数の1人当たりGDPを誇っている。ドイツよりも80%多い。

そしてギリシャは今、その方向を目指している。それがわたしが現在の長期的な投資の好循環が始まったばかりだと考える理由だ。

アイルランドもかつてギリシャのように欧州債務危機に苦しんだ国の1つである。だが今では大胆な規制緩和と低い法人税によって多くのグローバル企業が本社を置く国となっている。

結論

ポールソン氏は次のように言っている。

わたしの考えでは、ギリシャ市場から撤退するのはまだまだ早すぎる。この上昇相場は続く余地がまだまだある。

Piraeus Bankを例に取れば、株価は既にかなり上がっているにもかかわらず、株価収益率はたったの4.4倍だ。

彼が見ているのは、ギリシャの1人当たりGDPがしかるべき水準にまで戻ってくる未来である。

筆者の経験では、GDPそのものは人口に大きな関係があるが、1人当たりGDPは国民のまともさに比例しているように感じる。

例えばアイルランドは世界2位の1人当たりGDPを誇っているが、比較的治安の良い先進国で税率が低くインフラが安定しているところをグローバル企業は本社の立地に選ぶ傾向がある。

要するに税制も含めて人がまともかどうかということである。グローバル企業はそういうところに本社を置きたがる。他の例としてはスイスが挙げられるだろう。スイスフランの買いは筆者の成功している長期ポジションの1つである。

では日本の1人当たりGDPは何故低いのか? 自民党を何十年も当選させ続けているという点で国民がまともではないからである。自分がずっと奴隷をやっているから他人も奴隷をやるべきだという根性の人々と長く一緒にやっていきたいかどうかという問題である。

だから日本は建設的な投資が受けられない。ギリシャでは政府の無駄を減らすために民営化も大胆にやったが、日本ではせいぜいが郵政民営化でGoldman Sachsに金が流れてゆく程度のことである。

ギリシャでは法人減税で政府の無駄が削減され、日本では経団連に金が流れてゆく。何故同じことをやってもこれほどに違うのだろうか。