ウクライナ、ドイツ首相を「すねたレバーソーセージ」呼ばわりする

ドイツのシュタインマイヤー大統領がウクライナの首都キエフ訪問を断られた問題で、ドイツのショルツ首相がキエフ訪問を断ったことに対し、在ドイツウクライナ大使のアンドレイ・メリニク氏はショルツ氏を「すねたレバーソーセージ」と呼んだ。

ドイツとウクライナの軋轢

問題の発端はキエフ訪問を考えていたシュタインマイヤー大統領がウクライナ側に拒否されたことにある。

ウクライナによれば、理由はシュタインマイヤー氏がロシアの天然ガスをドイツに運ぶパイプラインの「ノルドストリーム2」計画を支援してきたことにあるという。

これはドイツ側にとって衝撃となった。日本とは違い、ドイツはウクライナに直接的な軍事支援をしている。その援助をしている国のトップが、支援している相手に門前払いされたのだから、ドイツ人の困惑は小さくないだろう。

ウクライナ側はドイツで実権を握っているのは象徴的な大統領ではなく首相だとして、ショルツ首相のウクライナ訪問を求めていた。しかしショルツ首相はシュタインマイヤー氏が拒絶されたことを理由に訪問を断った。

ウクライナ大使はショルツ氏の対応について次のように述べた。

すねたレバーソーセージのように振る舞うことは政治家らしくない。

ドイツの反応

レバーソーセージ(言うまでもなくドイツの特産品である)扱いされたショルツ氏は冷静に次のように述べている。

ウクライナの未来にとって安全保障が重要である状況で、ドイツがウクライナに対してこれほどの軍事的・財政的援助をし、それはウクライナに必要とされているにもかかわらず、「だがドイツ大統領は訪問するな」と言われて上手く行くはずがない。

恐らく、多くの日本人がウクライナのゼレンスキー大統領を(彼について何も知らないにもかかわらず)熱狂的に歓迎しながら、心の何処かで違和感を感じていたのはここではないか。

要するにウクライナ政府は相手を自分にとって役に立つかどうかでしか判断していない。しかも自分にとって役に立つ人間を「善」、役に立たない人間を「悪」とし、善であるウクライナの言う通りに振る舞わない人間をレバーソーセージ呼ばわりする。

明らかにこの部分が日本人の常識的感覚に引っかかったのである。

ウクライナ政府の望むもの

そしてゼレンスキー大統領が一貫して他国に求めてきたことは、ウクライナに武器を呼び込むことである。

そしてそれはアメリカの目的でもある。第2次世界大戦の被害に懲りた西洋諸国は、長年自国に戦争を呼び込むことなく他国に戦争をさせ、そこに自国の軍需産業が武器を売ることで商売をしてきた。戦うのがウクライナ国民ならアメリカ国民の犠牲は出ないということである。

ゼレンスキー氏とアメリカの利害は一致している。当然である。2014年にアメリカが支援した(事実である)ウクライナでのクーデター以後、ウクライナにはアメリカの外交官ビクトリア・ヌーランド氏が選んだ政権が据えられ、ウクライナでその後大統領が代わった後も例えばバイデン氏はオバマ政権下でウクライナを好きなように使っていた。以下の記事で報じている。

ドイツは元からアメリカの軍事的都合とは一線を引いていた。EUはアメリカほどNATOの東側拡大に積極的ではなかった。ロシアと戦争になれば被害を受けるのは自分だと分かっていたからである。

だが上記のヌーランド氏はアメリカの言いなりにならないEUに対し、「Fuck the EU」と発言し謝罪に追い込まれている。そして結局アメリカの都合でNATOは拡大し、そして今ロシアとぶつかったのである。

結論

上記の事情をゼレンスキー氏の態度と合わせて見れば、状況がようやく見えてくるだろう。日本では報道されていないが、そもそもゼレンスキー氏がロシアに対して核ミサイルを向けると発言したことが戦争の発端なのである。

彼は自分で戦争を引き起こし、ウクライナ国民を犠牲にしながらアメリカの都合に従ってウクライナに武器を呼び込み続けている。

昭和天皇をナチス扱いされ、感謝国リストから外され(誰も気付いていないがこの感謝国リストの取捨選択は人種差別的である)、ウクライナ政府を支持している日本人も流石に自分が何を支持しているのか分かってきたのではないか。真正のネオナチの愚連隊を正規軍として迎え入れている時点でウクライナ政府の思考はおかしいと何度も言っておいたのである。

今年の株価暴落もそうだが、何故この程度のことが人に分からないのか筆者にはまったく理解できないのである。