世界同時株安を脇にビットコインが久々の暴落中

読者も知っての通り、2018年後半の世界同時株安についての筆者の見解は急落が始まる前から変わっていない。

したがって日々の上下動を見ても特に付け足すことはない。しかし長らく6,000ドル近辺を底としてレンジ相場を繰り広げていたビットコイン価格が遂にその底値を割って急落しており、他の暗号通貨も追随して下げているので、そちらを少し報じてみたい。

ビットコインが遂に急落

まずはビットコイン価格のチャートを見てもらいたい。

長らく割っていなかった6,000ドルの壁を遂に割って下落している。これはより長期で見ると次のようになる。

2017年末にバブルが崩壊してからの下値を更新して下落していることになる。

ビットコイン価格の将来については、既に今年の2月の段階で記事を書いている。

この記事では、暗号通貨全体が繁栄するかどうかにかかわらずビットコインの価格が下落することを論じてあるので、売り方のみならず暗号通貨に好意的な読者にも是非参考にしてもらいたい。筆者はこうした技術が専門ではないが、そうでなくとも価格が読めることもあるということである。

世界同時株安との関連は?

さて、ここまでならば暗号通貨に興味のある読者向けのニュースだが、思い出してほしいのはトランプ相場以降立て続けに相場予想を的中させている債券投資家のガントラック氏が以下の発言をしていたことである。

米国株は昨年の9月から一直線に上昇しているが、この上げ相場にはビットコイン相場が象徴的に先行している。当時4,500ドル程度だったビットコインの価格は20,000ドル辺りまで高騰した。

その後ビットコインは12月の天井から暴落した。そのボラティリティ(訳注:価格の振れ幅)の急上昇は2月の株式市場の混乱に先行したかのようだ。そして株式市場が底値を探っていた時に、ビットコインは先行して上昇を始めた。そうすると株式市場も底を打った。

奇妙なことに、わたしはビットコインのような投機的な資産における投資家のセンチメントを将来を占う指標として使っている。だからもし株式市場が再び荒れるとすれば、ビットコインの下落が先に起こるのではないかと思う。

この発言は2月のものだが、今ガントラック氏は何を思っているだろうか。

ビットコインが下落したというだけならば、そうなると予想していた筆者としては大したニュースではない。しかし、世界同時株安で金融市場が荒れている時にこの動きが来たというのは、なかなか面白い偶然かもしれない。

ガントラック氏の言うようにビットコインの値動きが株式市場の先行きを占うものであるかどうかは、読者の判断に委ねたい。個人的には、市場の流動性という意味で繋がってはいるだろうが、直接的な関係の証拠は見つけられていない。

しかし、ここでは繰り返し市場下落の兆候となるものを一つ一つ検証し、その結果として空売り開始のタイミングを計ってきた。

そしてその結果がどうなったかは、米国の株価指数S&P 500のチャートを見れば一目瞭然である。

だから一見関係がなさそうに見える兆候であっても、一つ一つ確認しながらこの下落相場を見守ってゆきたいと思う。

世界同時株安に関する筆者の基本的な見方は以下の記事の通りだが、また何か転換点があれば報じるつもりである。