Teslaのマスク氏、子供の人命救助に参加した人を「ペド野郎」呼ばわりしたことを釈明

相場が米中合意に向けて偽りの高値を形成している間は平和なニュースでも流しておこう。

カリフォルニアの電気自動車メーカーTeslaの創業者イーロン・マスク氏がロサンゼルスの裁判所に出廷した。2018年にタイの洞窟が洪水に見舞われた時に現地のサッカーチームに所属していた12人の子供と25歳のコーチが内部に取り残され、ダイバーらによって救助された件で、マスク氏が救助に携わっていたイギリス人ダイバーのバーノン・アンズワース氏をTwitter上で「ペド野郎」と呼び名誉毀損で訴えられたことに関する裁判である。

ことの経緯はこうである。2018年6月、現地のサッカーチームの少年らと25歳のコーチは洞窟を探検していたが、モンスーンによる影響で雨が強くなり洞窟は水没、サッカーチームは内部に取り残されてしまった。洞窟の中は細く入り組んでおり救助は困難とされていたが、ボランティアを買って出た有志のダイバーらとタイのネイビーシールズなどがチームを組んで救助に当たり、ダイバーの1人が救助中に亡くなったものの13人のサッカーチームは全員救助された。

この時にカリフォルニアから参加の気概を見せたのがTeslaのイーロン・マスク氏である。マスク氏は子供が入れるサイズの小さな潜水艦を試作してこれを使えば子供たちを洞窟の外に出せると主張し、Twitter上にアップロードしてソーシャルメディア上で話題になっていた。

しかし実際に救助に参加していたダイバーチームはこのミニ潜水艦に興味を示さなかった。洞窟は実際には狭く入り組んでおり、マスク氏の用意した潜水艦が通り抜けられるとは想定されなかったからである。

メディアにマスク氏の潜水艦について聞かれたアンズワース氏は「あの潜水艦は絶対に機能しない」「洞窟がどういう形状かまったく理解していない」とし、マスク氏の行為をPR活動だと切り捨てた。

これに激怒したマスク氏はアンズワース氏をTwitter上で「ペド野郎」と呼び、これが各国のメディアで取り上げられた。世界的に「ペド野郎」のレッテルが有名になってしまったアンズワース氏が法的な手段に訴えると主張したことに対してマスク氏は「訴えられるものなら訴えてみろ」と応酬。そして訴えられたわけである。

今回行われた裁判でマスク氏は、当時Teslaを運営するために週に80時間から100時間の労働をしており、ツイートはその間に瞬間的に書いたと弁明した。アンズワース氏を文字通りペドフェリア(幼児性愛者)だとする意図はなく、「ペド野郎」はただの侮蔑語であり、「マザーファッカー」などと同じように文字通りの意味を持つものではないため名誉毀損には当たらないと主張している。

裁判がどうなるのか冗談としては面白いが、これ以上報じる話題でもないので閑話休題とする。

結論

イーロン・マスク氏は話題に事欠かない面白いCEOである。ちなみに筆者はTeslaについてはここで報告している通り空売りを行っている。マスク氏がアンズワース氏をペド野郎呼ばわりしたからではなく、Teslaの株価が維持可能ではないからである。

さて、相場は米中合意に向かって高値圏にある。株式市場全体の空売りはまだ保留だが、ファンダメンタルズ的に天井に達している個別株は今の段階で売っていけるということである。

いずれにしてもあと1-2ヶ月ほどで面白い進展があるはずである。楽しみに待ってみよう。