ルーブル急落で世界的リスクオフ: ドル円、不動産株をレビューする

ロシアルーブルを始めとする新興国・産油国通貨への懸念から、世界の金融市場でリスクオフの動きが進んでいる。

円やユーロが買われていることから、ドル高の動きではなく、各国の不動産株が売られていることから、デフレを懸念しているわけでもない。これまで蓄積されてきたグローバルマクロ的なポジションが、クリスマス休暇前ということもあり決済されているのである。今回は、とりわけドル円と各国の不動産株について、簡単にレビューしたい。

ドル円

リスクオフが波及し116円。下記の記事で述べた通り、日米の経済成長の差を考慮せず、マネタリーベースのみで見た適正値が115円であるから、その水準まで落ちてきた場合は、買い下がりが可能だろう。

下値は110円辺りを見ておけば安全か。言うまでもなく、原油安は円安要因である。

不動産株

ECB(欧州中央銀行)による量的緩和が控えているため、Gagfah (XETRA:GFJ、Google Finance)など、ドイツ不動産株は比較的高値のまま推移している。以前紹介したパリのGecina (EURONEXT:GFC)は、一株当たり純資産にほぼ一致する€100へと逆戻りし、買い場となっている。

日本の不動産株については下記の記事で述べた通りであり、もっと安くならなければ、わざわざ買い増す局面でもない。オフィス空室率や百貨店売上高など、日本の消費に関する指標に注目したい。

ちなみに、Whole Foods (NASDAQ:WFM、Google Finance)など、米国の消費関連銘柄はそれほど下がっていない。ロイターなどに原油安によるリスクオフを必要以上に煽る記事もあるが、投資家は原油安が経済にとってプラスであるという大前提を忘れずに、投資を続けるべきである。