6月FOMC結果: 年内2回の利下げを示唆

米国時間6月18日から19日、アメリカの中央銀行に相当するFed(連邦準備制度)は金融政策決定会合であるFOMC会合を開催し、政策金利の据え置きを決定した。一方で年内に2回の利下げ可能性を示唆し、事前の市場の期待に応えた結果となった。

ハト派となった会合結果

いつも通り、先ずは声明文から見てゆこう。声明文の内、前回から新たに修正された主な箇所は以下の通りである。

2%物価目標に対する不確実性は大きくなっている。こうした不確実性と弱まっているインフレ圧力から、今後の経済動向を注視し、強い労働市場と2%物価目標をもたらす経済発展のために適切に行動するつもりである。

この部分は前回の声明文では「今後の政策決定に関しては忍耐強く」と書かれていた箇所を置き換えるものであり、その意味で利下げという今後の行動をはっきりと示唆したものである。

同時に、会合参加者の今後の金利見通しを示したドットプロットでも、年内の金利見通しは次のようになっている。

  • 利上げ1回: 1人
  • 金利変更なし: 8人
  • 利下げ1回: 1人
  • 利下げ2回: 7人

金利変更なしが最多となっていることについてはあまり気にするべきではない。前回のドットプロット(3月)では利下げに投票した参加者は1人も居なかったため、あまりに大きく変わってしまうと中央銀行としての整合性が疑われてしまう。しかし市場の利下げ期待には沿う必要があったため、この表現が妥協案なのである。

また、声明文とドットプロットに加え、今回の会合ではセントルイス連銀総裁のブラード氏が今回の会合における利下げを提案し、否決されている。FOMCは今回、この三段構えによってハト派な姿勢を示したことになる。

市場の反応

これらの結果はおおむね事前の予想通りと言える。数日前の記事では筆者は次のように書いている。

より長期で見ると2年物国債や3年物国債などは今後2回の利下げを織り込んでいる状態となっており、(中略)筆者の予想ではパウエル議長はこの市場の予想にある程度は沿った形で声明文を出すのではないか。

会合直後の市場の反応では、米国株が上昇、ドル円が下落となった。日経平均にとっては前者はプラス、後者はマイナスとなる。また、面白いことに金利先物市場は次回7月のFOMCにおける利下げ確率を100%と織り込んでいる。

以上が今回のFOMCの結果となった。筆者としては昨年から続けているドル円の空売りを続けるのみである。