英首相候補ジョンソン氏、恋人のお気に入りのソファーにワインをこぼして口論になり、隣人に通報される

またイギリスで面白いニュースが流れている。イギリスではEUとのBrexit交渉が不首尾に終わったテリーザ・メイ首相の辞任表明に伴い、与党保守党の次期党首選が行われているが、最有力候補とされるボリス・ジョンソン氏が恋人との口論を隣人に通報されニュースになっている。

元ロンドン市長のジョンソン氏はメイ首相の後任に立候補し、ハント外相とともに最終候補の2人に選ばれている。ジョンソン氏はこれまでの投票でハント氏を含むすべての候補に大差で勝利しており、ジョンソン氏が次期首相になる可能性が高いと見られているが、今回の報道で支持率が少し下がったらしい。ジョンソン氏はEU離脱投票で離脱派の筆頭だった人物であり、EUとの合意の有無にかかわらずEUを離脱することを公約としている。

イギリス国内の報道によると、ジョンソン氏は恋人のキャリー・サイモンズ氏の家でサイモンズ氏お気に入りのソファーに赤ワインをこぼしたらしく、その後サイモンズ氏と喧嘩になったところを隣人が通報して警察沙汰になったらしい。この隣人は口論を録音してマスコミに渡しており、サイモンズ氏のコメントが報道されている。サイモンズ氏はジョンソン氏に次のように言ったらしい。

あんたは甘やかされて育ったから何も大切にできないのよ。あんたはお金も何も大切にしない。

出ていって。わたしの家から出ていって!

ちなみにジョンソン氏は55歳、サイモンズ氏は31歳であり、年齢差を考慮するとなかなか面白い口論である。ジョンソン氏はジョージ2世の血を引く家系の出でオックスフォード大学を卒業しているが、エリートらしからぬ破天荒な物言いでイギリスで人気が高い。

警察は今回の件について次のようなコメントを発表している。

警察は当該住所の住民すべてを聴取したが、全員無事で問題はなかった。警官が確認したところ被害もなく、警察が動くような事態ではなかった。

ちなみに口論を録音して通報した隣人はEU残留派の男女で、女性のほうは左翼の劇作家らしい。男性のほうはガーディアン紙に対して次のように述べている。

わたしがガーディアン紙にコンタクトを取ったのは、この口論が公共の重要な関心事になるだろうと思ったからだ。次の首相になるような人物には自分の言葉や行動に責任を持つ必要があると思う。

わたしは、ロンドン中の多くの人々と同様に、EU残留に投票した。それがわたしの政治への関わりだ。

ここまで事実を述べただけだが、イギリスの政治の現状が垣間見えてくるニュースではないか。読者もイギリスの首相になる際には、恋人のソファーにワインをこぼさないよう注意されたい。