前回までは続けてレイ・ダリオ氏の1600年まで遡る通貨の繁栄と衰退の壮大な話を紹介してきた。
こうした超長期の視点で今の相場を見ることは近視眼的にならないために重要だが、一方で投資家としても個人としても今後100年がどうなるかの話とは別にまず今年どうなるかを考える必要がある。
続きを読む 市場はインフレによるドル崩壊を予想していない前回までは続けてレイ・ダリオ氏の1600年まで遡る通貨の繁栄と衰退の壮大な話を紹介してきた。
こうした超長期の視点で今の相場を見ることは近視眼的にならないために重要だが、一方で投資家としても個人としても今後100年がどうなるかの話とは別にまず今年どうなるかを考える必要がある。
続きを読む 市場はインフレによるドル崩壊を予想していないアメリカの株式市場は絶好調である。2018年の世界同時株安を受けて中央銀行が金融引き締めを撤回して以来、かなりの勢いで上昇している。
一方で実体経済の方はどうだろうか? 材料としてはトランプ政権の法人減税以来新しい好材料は出ていない。よって投資家は中央銀行の方針転換以来下落した長期金利が実体経済にどういう影響を及ぼしているかを地道に調べてゆくしかない。その中で基本となるのがインフレ率とGDP統計だが、四半期ごとに公開されるGDP統計もその一部である個人消費は毎月発表されているので、極力頻繁にレビューしてゆきたい。
続きを読む アメリカのインフレ率は減速、個人消費は足踏み引き続きアメリカ経済の現状を確認してゆく。前回の記事では個人消費を扱ったので、今回は消費者物価指数である。
続きを読む 米国経済、低金利がインフレに効いていない2018年の世界同時株安から株価は回復し、米国株はいまだ市場最高値付近にある。以下の記事に書いたように昨年の株安の原因となったのはアメリカの金融引き締めだが、それも今は停止されている。
今年は利下げも3回行われ、株価は戻り、株安の原因は取り除かれたように見えるが、市場全体を見渡してみると不吉な要素がいくつか見受けられる。
続きを読む 2019年の株高が本物のリスクオンではない理由2018年ではマネタリーベースの縮小と利上げというアメリカの金融引き締めが続いている。金融市場はアメリカの中央銀行に資金を吸収されながら推移しており、去年から報じているようにその金融引き締めが世界市場を不安定にしている。
しかしながら、アメリカの中央銀行に相当するFed(連邦準備制度)は6月のFOMC会合で既に政策金利を2%まで利上げしており、金利が上がりすぎると株式市場に大きな影響が出ることから、今後は利上げがどこで止まるのかということが焦点となってくる。
Fed(連邦準備制度)が金融引き締めを行うなか、アメリカでは今年に入ってCPI(消費者物価指数)が減速している。中央銀行は原則的には物価上昇率の安定を目的に金融政策を行うので、インフレ率が低迷すれば物価の下支えのために引き締めの手を緩めるのではないかと想定することは、自然なことである。