2016年世界同時株安はいつまで続くのか? 原因は何か? 米国利上げの影響は?

以前の記事では主にドル円について説明したが、一応株式市場の方も纏めておこう。しかしわたしの意見は2015年8月の株式市場急落の以前から一貫して予想していた通りであり、2016年においても何も変わっていない。ボラティリティの高い相場は量的緩和バブルが完全に崩壊するまで続くが、バブルの完全な崩壊はまだ先であるということである。

損を出している投資家は投資戦略の見直しを

先ず第一に、2016年の市場では短期的な動向を予想することに意味はない。市場が急落して、損切りをするべきか、あるいは何処まで下がれば買い迎えるかなどと考えている投資家も多いのかもしれないが、2016年においてはそもそもそうした考え方が根本的に間違っている。2016年の相場では、短中期的な下落や反発を無理に取りに行こうとすれば、下がった時に売って上がった時に買ってしまうか、落ちるナイフを掴みに行って大怪我をするかのどちらかになるだろう。

そもそも優れたファンドマネージャーでさえ、自分の知る限り、現在の相場の短中期的な値動きを予想して取りに行こうとしている人物はいない。彼らでさえ不可能なことを自分が出来ると思うのはいいが、恐らくそうした試みのほぼすべてが失敗するだろう。

ではどうするか? 2016年の市場がどうなるかという、短くとも1年単位の予想を立てて、短期的には市場がどう動こうとも意に介さずに、その原則にただ従って取引をすることである。

米国株

先ずは米国株のチャートを見よう。米国の株価下落が円高を引き起こし、円高が日本の株安を引き起こしているのだから、先ずはS&P 500を見なければならない。

2016-1-12-s-and-p-500-middle-term-chart

そして何度も繰り返すが、この指数に対する2016年のわたしの予想は以下の通りである。

  • 米国株は2015年の高値を超えて大きく上がることはない
  • 特に理由のない急落の可能性はいつも存在する
  • その急落の幅は10-30%程度である

通常、株の買いと空売りだけをしている場合には、このような予想を立てても役に立たないことが多い。しかしオプションを使うことができれば、このような相場でも利益を得ることができる。これは年末に書いた投資戦略の通りである。

現時点でこの相場予想は当たっているので、わたしの株式市場でのポジションは順調に利益を出している。また、債券投資家のビル・グロス氏も別のやり方で2016年の相場を取引する方法を提案した。彼の予想も現在の相場を見事に言い当てている。

株安はいつまで続くか?

株安というよりは高ボラティリティと言う方が現状をよく表しているのだが、そういう意味で言えば、高ボラティリティは量的緩和バブルが崩壊するまで続く。だからそれまでは、短期的な騰落に一喜一憂せず、事前に立てた投資戦略にひたすら従うべきである。去年の急落の時にもそうやって利益を上げたことを報告した。ただ、今年は今年の戦略が必要となる。

一方で、初志貫徹が出来ないのであれば、バブルが崩壊するまで株式市場に手を出さないことである。ファンドマネージャーのように上手く取引できずとも、自分の手に負えない相場から手を引くことは出来る。そしてそれは投資においてもっとも重要でもっとも賢明な判断なのである。

最後の疑問だが、では量的緩和バブルはいつ崩壊するのか? これもすべて説明してある通りである。今回の市場急落も、将来の市場暴落も、すべてこれまでに書いてきてあるので、まだ読んでいない読者は過去の記事に目を通してみてもらいたい。