アメリカの4月住宅価格が再び上昇、インフレ継続で利上げ再開か

アメリカの4月分のケース・シラー住宅価格指数が発表され、前月比年率で6.5%の上昇となり、前月の4.7%上昇から加速した。長らく下落が続いていた住宅価格は、ここ数ヶ月反転して上昇している。

再上昇している住宅価格

アメリカのインフレ率は下落している。一時9%まで上がっていたアメリカのインフレ率は、今や4.1%となっている。

だがインフレの内訳を見ると、インフレの火はまだくすぶっている。その一例が住宅市場のインフレである。

今回の住宅価格指数のチャート(上昇率ではなく指数そのもの)を見てみよう。

アメリカの利上げで一度下落に転じていた住宅価格が明らかに再上昇している。

前月比年率の上昇率(ひと月の変化が1年続いた場合の上昇率)で見ると次のようになっている。

上昇が加速していることが分かる。’

インフレ再開か、一時的な反発か

これをどう見るかである。この住宅価格の反発が長期的なものかどうかは正直分からない。リーマンショック前の2006年から2007年にかけて、住宅価格はダブルトップを作って下落していったこともある。

だが少なくとも、住宅市場のインフレが根強いということは言えそうである。

更に、最近発表された指標でやや警戒すべきものがある。市中に存在する資金量(現金と預金の総量)を表す実質マネーサプライである。

最新5月の数字を見ると、僅かだが上向いている。

こちらもそれが長期トレンドかどうかは言うことができない。数ヶ月のデータが揃わなければ、ひと月の誤差である可能性もある。

ただ、アメリカの利上げは一時停止しており、長期金利が頭打ちしていることが、引き締めにブレーキをかけているということは頭に入れておかなければならない。長期金利のチャートは次のようになっている。

今後の見通し

インフレについては専門家でも意見が分かれている。去年秋からのインフレ減速を言い当てた債券投資家のジェフリー・ガンドラック氏は、インフレ減速を予想している。

利上げが5%まで行くことを予想的中させたゾルタン・ポジャール氏は、引き締め継続を予想している。

どちらに転ぶかは正直分からない。だが投資家はインフレ側に振れて金利がここから更に上がるシナリオは覚悟しておいた方が良さそうだ。

一方で、株式市場にとってはどちらにしても良いニュースではない。インフレ継続は更なる利上げを意味するし、インフレが落ち着くということは、ここから景気が落ち込んで失業率が上がってゆくということだからだ。株価については以下の2つの記事に書いておいた。

つまり、今景気が落ち込むか、更に利上げしてから景気が落ち込むかの違いでしかない。恐らく株式市場にとっては、後者の方がダメージとなるだろう。

あらゆる経済指標から目を離せない状況だと言える。重要な指標については引き続き報じてゆくので、楽しみにしていてもらいたい。