フォローアップ: FCC (BM:FCC)、ワコム (TYO:6727)

以前紹介した銘柄のフォローアップである。

前回の記事で文句なしの買い場と書いた時点から13%程度の上昇。ECBの追加緩和もあり住宅市場に再び希望が持たれている。€16程度で取引されていた時点よりもECBがかなりハト派に傾いたことを考えると、まだ割安と見るべきだろう。しかし欧州の問題が解決するためには時間がかかるとということを念頭に置いた、長期間の株価変動に耐えられるポジションの規模に留めたいことは一貫して同じである。

4日に5.91%の急騰。ワコムのペンタブレットを搭載したサムソンの新製品が発表されたこととの関係が指摘されているが、これはやや無理筋である。携帯向けのペンタブレットは将来的な需要増が予想されているものの、現在の急落は短期的な利益減が主な原因であるから、現状で売上高の33%に過ぎないモバイル事業の一部が好調であろうとも、下落を覆す理由にはならない。

問題は需給である。機関投資家の空売り残高は既に9.45%に上り、つまりは売り方はここから更なる大量の空売りを想定することはできない。ファンダメンタルズからの買い方の売りを待つほかないのである。これは決算後の急落以降、株価が大して下がっていない理由でもある。

ここからの急騰を理由に売り方が買い戻しに動くかどうかは微妙である。もし売り方が一貫して理性的に動くならば、買い戻さないはずではあるが、もし急騰が続き、決算前の水準に近づくようであれば、買い方は一旦ポジションをクローズし、再度安値になるのを待っても良い。決算後の下げは、短期的にはファンダメンタルズから見て合理的であり、今後の決算発表などの新情報がないかぎり、短期的に株価が戻る理由が需給以外にないからである。いずれにせよ売り方の合理性次第となる。