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10月の日銀決定会合の結果は追加緩和見送りと目標達成後ずれ容認、ドル円はほとんど動かず

10月30日の日銀決定会合の結果は追加緩和見送りと目標達成後ずれ容認となり、以下の2つの記事で事前に報じた通りとなった。

追加緩和のほうは10月にはないと書いた通りだが、日銀は市場で期待されていた追加緩和を見送る代わりに、2%のインフレ目標達成の時期を2016年度前半から2016年度後半へと先送りした。こちらはロイターで報じられていた通りである。

以下は1時間足のドル円のチャートだが、結果的にドル円の水準はほとんど変わらず、120円台を維持している。

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2015年3Q米国GDP速報内訳: やや減速、ドル高が反転する可能性が見えてきたか

10月29日、2015年第3四半期の米国GDP速報が発表された。実質GDPは前年同期比で2.03%の成長となり、前回の2.72%からやや減速したことが明らかになった。内訳は以下の通りである。

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グラフを見た限りでは一番減速しているのは投資である。また、輸入の伸びもGDPの計算ではマイナスとなるため、全体の足を引っ張っていると言えるが、輸入増は内需の強さがまだ生きていることを示しているとも言える。一番重要な個人消費がどうなっているか、詳細を見てゆきたい。

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米国10月FOMC結果速報: 利上げはなし、声明では12月の利上げ可能性を再確認

米国時間で10月28日、Fed(連邦準備制度)は政策決定会合であるFOMC会合を開催し、政策金利の維持を決定した。

金利の維持に反対したのは前回と同じくリッチモンド連銀総裁のラッカー氏のみで、0.25%の利上げを主張した。

一方で、会合後に発表された声明では12月の利上げ可能性に言及し、「次回の会合で政策金利を引き上げるのが適切かどうかを決定するために、完全雇用と2%のインフレという目的への経済状況の進展を評価することになる」とした。

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イギリスのしたたかな対中外交、中国の習近平主席が「先見的かつ戦略的」と評価

中国の習近平主席がイギリスを訪問している。イギリスは中国の主導するアジアインフラ投資銀行の出資にヨーロッパ諸国で一番最初に名乗りを上げるなど外交面で中国をサポートしており、習近平主席は10月18日、訪英に先立って、イギリスの外交を「先見的かつ戦略的」であり、今回の英国滞在で英中関係が黄金時代に入ることを望むと述べた(ロイター)。

この習近平主席の発言はまったく正しい。イギリスは国を挙げて中国を優先的に扱っていた国であり、政府のみならず国民のなかでも、中国への関心はずっと高かった。もう10年以上も前から、ロンドンで知的階級の社交の場に赴けば、中国の文化に関するレクチャーやセミナーなどが頻繁に行われており、中国経済が巨大になるということを見据えて、経済面のみならず歴史や文化の面からも中国という国を理解しようと努力してきたのである。

しかしながら、イギリスにとって理解しようと努力することは必ずしもその国を好むということではない。今回の習氏の訪英は険悪なムードに終わった訪米とは違い、基本的に和やかなムードで進んでいるが、唯一軋轢が生じたとすれば、それは反中国で知られる次期国王、チャールズ王太子の晩餐会欠席である。

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ヨーロッパ移民問題: 難民が国境警察に撃たれ、移民擁護の政治家が刺される事態に

ヨーロッパの移民問題が文字通り血みどろの悲劇となっている。将来行われるヨーロッパ各国の選挙では難民問題が一番の焦点となることになり、投資家にとってもフォローしておくべき内容だろう。

ブルガリア南東部の町で10月15日、国境警察の威嚇射撃の流れ弾がアフガニスタン難民の1人に当たり、死亡する事件が起きた。日経新聞によれば、国境警察がトルコから不法入国した移民を発見し、制止しようとしたところ抵抗したため、警告射撃を行った際、流れ弾がアフガニスタン人男性に当たり、病院への搬送中に死亡したとのことである。

国連などは国境警察の対応を非難しているようだが、国境警察としてはテロリストの可能性もある不法移民を取り締まらないわけにはゆかない。この問題の原因は国境警察でも不法移民でもなく、別の場所にあるのである。

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移民を歓迎するドイツの本音と哀れなハンガリーの受難

ヨーロッパの移民問題が深刻化している。アサド政権、反政府組織、ISISの三つ巴の争いが繰り広げられているシリアから多数の難民が流入しており、ヨーロッパ各国は対応に追われている。

日本についても、外国人記者に人道支援としての難民受け入れについて聞かれた安倍首相が「難民受け入れより女性の活用が先」と経済成長の文脈で答えて海外メディアの非難を浴びたりしているが、今回ここで述べたいのは移民受け入れの倫理的意義でも日本の致命的な外交感覚の欠如でもなく、移民問題の裏にあるドイツのヨーロッパ統一願望と、それが欧州経済に及ぼす影響についてである。

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FOMC結果速報: 利上げをしなかった理由、イエレン議長の記者会見の抜粋

第一回目の速報で述べたように、Fed(連邦準備制度)は米国時間9月17日、FOMC会合で利上げをせず、政策金利を維持することを決定した。

会合の結果が発表された後、議長のイエレン氏の記者会見が行われており、今回の記事ではその内容の重要な部分を抜粋して紹介する。以下の通りである。 続きを読む FOMC結果速報: 利上げをしなかった理由、イエレン議長の記者会見の抜粋

FOMC結果速報: 米国は利上げを決定せず、政策金利は維持へ

米国時間の9月17日、Fed(連邦準備制度)の決定会合であるFOMC会合の結果が発表され、市場で期待されていた利上げは行わない決定を下した。リッチモンド連銀総裁のラッカー氏はこの決定に反対し、0.25%の利上げを行うべきだと主張した。

この後イエレン議長による記者会見が予定されており、今回の決定と今後の金融政策について説明を行うと予想されている。米国の利上げについては以下の記事も参考にしてほしい。


追記FOMC結果速報: 利上げをしなかった理由、イエレン議長の記者会見の抜粋

2015年2Q日本のGDP内訳: 明暗分かれた家計と産業、バブル経済的な構図が明確に

2015年4-6月期の日本の実質GDPが発表され、前年同期比(以下同じ)で0.71%の成長となった。

報道では前期比のマイナス成長ばかりが強調されているが、季節要因を取り除ける前年同期比で見れば、前期比ほどに悪い数字というわけではない。しかし、それでも日本経済が弱いのはどうしようもない事実ではある。内訳を見てゆこう。

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2015年2Q Form 13F: ソロス氏はFacebook買い増し、Alibaba売却、アインホーン氏は不調のポジションをほぼ維持

2015年4-6月期のForm 13Fが発表され、機関投資家の6月末の株式ロングポジションが明らかになった。以下は前回の記事である。

機関投資家は前回からポジションをどのように変えたのだろうか? 以下に見てゆきたい。

ソロス氏は臨機応変に銘柄を入れ替え

資料によれば、ジョージ・ソロス氏のソロス・ファンド・マネジメントは粛々と銘柄の入れ替えを行っているようである。

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