2008年のリーマンショック以降、株式市場のボラティリティ、つまり株価の振れ幅の大きさが長期的に低下している。簡単に言えば、株価があまり激しく上下しなくなったということである。
「トレーディング技術」カテゴリーアーカイブ
世界最大のヘッジファンドが個人投資家に助言する
世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏がBusiness Insiderのインタビュー(原文英語)に答え、一問一答形式で個人投資家へのアドバイスを行なっている。なかなか面白い内容となっているので、ここに紹介したい。
米国利上げによる金価格の短期的下落をヘッジする方法一覧
前回の記事で予告しておいた、金相場の短期的な下落リスクをヘッジする方法の一覧である。前回の記事を読んでいることが前提であるので、先ずはそちらに目を通してほしい。
また、今回の記事ではオプションを多用しているので、オプションの知識のない読者には以下の記事をお勧めしたい。
為替ヘッジ: 日本人が外貨建て資産の価格上昇に賭ける方法
今回は外貨建て資産に賭ける場合の為替リスクをコントロールする方法についてである。日本に居住する日本人の場合、日本株など円建て資産にのみ賭けている場合は良いのだが、様々な国の株式を保有する場合、ポートフォリオに存在する為替リスクを考慮する必要が出てくるだろう。
しかしながら、そもそも1万ドル分の米国株を持っているからと言って、1万ドル分の為替リスクを取らなければならないわけではない。この記事ではそうした為替リスクを自在にコントロールする方法について説明したいと思う。
投資銀行がインサイダー情報をトレーダーに横流しする方法
機関投資家と言えばどのようなイメージがあるだろうか? 個人投資家よりも資金が豊富であり、金融に関する専門的な知識を持ち、相場に関する情報収集能力に優れているといった印象があるかもしれない。
確かに多くの金融のプロは、多くの個人投資家よりも深い知識を持っているかもしれない。何十年も金融を仕事にしていれば、個人投資家よりも相場に詳しくはなるだろう。
しかし彼らの多くは、個人投資家とは一線を画した、特別秀でた存在という訳ではない。ゴールドマン・サックスが100年以上続いていることを考えてほしい。その間人材は絶えず入れ替わってきたのであり、それは逆に言えば、替えが利く人材を採用し続けても成り立つビジネスであるということである。ソロス・ファンド・マネジメントはソロス氏がいなければ成り立たないだろうが、投資銀行は中身の投資銀行家を入れ替えても存続する。つまり、そこには特別な才能がなくとも仕事が成り立つようにできる仕組みがあるということである。
世界最大のヘッジファンド運用者が相場で個人投資家が勝てない理由を説明する
世界最大のヘッジファンド、Bridgewatersを運用するレイ・ダリオ氏が、Bloombergのインタビューで個人投資家へのアドバイスを送っている。彼は同時に個人投資家が負けるトレードとはどういうものかについて話しており、損をしないためにはどうすれば良いかを説明している。
個人投資家が勝てない理由をファンドマネージャーの視点から説明する
多くの個人投資家が勝てない理由はいくつかある。株式市場は上がるか下がるかなのだから、勝率は大体5割くらいになるのではないかと思う読者もあるかもしれないが、そうはならないのである。感情に支配され、必要な情報を知らない投資家はかなりの確率で損をする。そしてその損失分が機関投資家の利益となっているのである。
この記事では多くの個人投資家が勝てない理由のうち、初歩的なものから実践的なものまでを順番に説明してゆきたい。
オプション取引入門1: プット・オプション、コール・オプションとは何か?
今回はオプション取引入門である。オプションについてはこれまでの記事で何度も言及してきたが、包括的な説明をしたことがなかったので、ここで一度纏めておく。
2009年から2014年の株式市場のように上昇相場が何年も続く場合や、2012年以降の金など、下落相場が続く場合には、単なる買いや空売りをすれば良いが、相場が方向性のないまま乱高下する場合や、材料がなくほとんど動かない場合などには、単なる売買では利益が出しにくい。しかしそういう時にもオプション取引ならば利益を出すことができるのである。
ということでオプション入門である。オプションにはコール・オプションとプット・オプションがあるが、先ずはコール・オプションから説明してゆく。
信用取引(レバレッジ)は危険なのか?
最近知り合った人のなかに、自分のビジネスを持っていたが引退した方がいて、資産運用を考えているのだがと相談を受けた。彼は金融や投資とは関わりのない業界の人で、若いころに自分で投資を試みて家一つ分の金額を失った話を笑いながらしておられた。
彼はどうやら、信用取引でレバレッジの掛かった取引をしたため、市場が下落したときに多額の追加証拠金を求められ、それがトラウマになり、それ以来投資はしていないそうである。
そこで彼がわたしに尋ねてきたのは、わたしもレバレッジを使うのだろう? レバレッジは危険ではないのか? ということである。返した答えは、わたしの方法論ではレバレッジを使わないほうが危険である、というものであった。
グロース株をファンダメンタルズ分析で評価する方法
本稿では、グロース株をファンダメンタルズ分析で評価する方法を説明する。
グロース株とは、現時点で利益が出ていないにもかかわらず、将来の収益性を評価されて高い株価が付いている銘柄のことである。
こういった銘柄はP/E(株価収益率)が100を超えていたりと、ファンダメンタルズを無視した株価が付いていると言われることが多いが、実際はグロース株の株価も、ファンダメンタルズ分析に基づいた評価によって決まっている。本稿ではこれを説明したい。 続きを読む グロース株をファンダメンタルズ分析で評価する方法