2016年参議院選挙: 各政党の経済政策・公約をマクロ経済学的に比較する

2016年7月10日に行われる参議院選挙直前となり、有権者は各党の政策について様々考えているところだと思うので、この記事では各党の経済政策について纏め、マクロ経済学の観点から批評してみたい。

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イギリスが法人税を15%未満に減税する方針を発表、EUは懸念を表明し内政干渉

引き続きBrexit後のイギリス法人税関連である。

国民投票でイギリスのEU離脱が決定したことを受け、イギリスのオズボーン財務相は法人税を15%未満にする方針を発表した。Financial Times(原文英語)が報じている。現在イギリスの法人税率は20%だが、この減税が実現すればアイルランドの12.5%や、同程度の税率を提供するスイス(州によって異なる)などと並ぶ低税率国となることになる。

EU離脱を決定し、EUの押し付ける緊縮財政から開放されたイギリスは、より競争力のある法人税で企業を誘致することが可能となる。これはBrexitによりEU市場へのアクセスを失うことでイギリスの法人が他のEU加盟国に移転する可能性に対する対抗策でもある。

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イギリスのEU離脱でOECDと財務省が化けの皮を剥がされる

イギリスのEU離脱はあらゆる意味で既得権益層へのイギリス国民の反乱である。それは直接Noを突き付けられたEU官僚たちだけではなく、同じような利権団体すべてに対するNoであると言える。そしてその一つがOECD(経済協力開発機構)なのである。

Brexitでイギリスが受ける経済的メリットはいくつかあるが、その一つが租税に関する自由を手に入れるというものである。しかしロイター(原文英語)が報じたOECDの内部資料によれば、OECDはこの動きを好ましく考えていないという。

それも当然であり、BrexitはEUやOECDなど、利権を確保しながら職を得ている人々すべてに対する政治的反動であるからである。OECDはいまや各国の財務省の集まりのようなものであるから、日本人にもその観点からであれば理解しやすいだろう。

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世界の金融市場チャート: イギリスのEU離脱で上がったもの、下がったもの

イギリスの国民投票でEU離脱が決定してからある程度時間が経ち、市場の反応が出揃ってきたので、世界の金融市場チャートからBrexitで上がったもの、下がったものを纏めておきたい。

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投資銀行がインサイダー情報をトレーダーに横流しする方法

機関投資家と言えばどのようなイメージがあるだろうか? 個人投資家よりも資金が豊富であり、金融に関する専門的な知識を持ち、相場に関する情報収集能力に優れているといった印象があるかもしれない。

確かに多くの金融のプロは、多くの個人投資家よりも深い知識を持っているかもしれない。何十年も金融を仕事にしていれば、個人投資家よりも相場に詳しくはなるだろう。

しかし彼らの多くは、個人投資家とは一線を画した、特別秀でた存在という訳ではない。ゴールドマン・サックスが100年以上続いていることを考えてほしい。その間人材は絶えず入れ替わってきたのであり、それは逆に言えば、替えが利く人材を採用し続けても成り立つビジネスであるということである。ソロス・ファンド・マネジメントはソロス氏がいなければ成り立たないだろうが、投資銀行は中身の投資銀行家を入れ替えても存続する。つまり、そこには特別な才能がなくとも仕事が成り立つようにできる仕組みがあるということである。

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ジョージ・ソロス氏: イギリスのEU離脱でポンドの空売りはやっていない

ここ数日、ソロス氏がBrexitを予想して利益を得たなどと根も葉もないことがニュースを賑わせていたが、ソロス氏の真意についてはわたしが記事で書いた通りであったということである。

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イギリスのEU離脱が無くとも円高株安は続く、そしてドル円は80円台まで暴落する

6月23日の国民投票でイギリスがEU離脱を選択したことで市場が荒れているが、今後の相場見通しを気にしている人も多いだろうから、この記事ではその話をしておこうと思う。

結論から言ってしまえば、EU離脱が実体経済にもたらす影響そのものはそれほど考慮せずとも良い。しかしEU離脱のもたらしたリスクオフは、わたしがこれまで予想し続けているドルの長期見通しの実現を早めることにはなるかもしれない。それはつまり、去年から言い続けている通り、ドルの暴落であり、そうなればドル円に依存している日経平均は特にただでは済まないだろう。

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ジョージ・ソロス氏、イギリスのEU離脱決定で大儲けか

6月23日の国民投票でイギリスのEU離脱が支持された後の金融市場の急落で、著名ヘッジファンドマネージャーのジョージ・ソロス氏が巨額の利益を得たとの報道がIndependent(原文英語)など英語圏でいくつか見られる。

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国民投票でEU離脱を選んだイギリス人の凄まじい精神力

イギリスの国民投票についてはリアルタイムで報じ続けているが、EU離脱が正式に決まったことでもあるし、この辺りで一連の出来事についてコメントを残しておきたい。

今回の結果にははっきり言ってかなり驚いた。イギリス人は驚くべきことにEU離脱を選んでしまった。これは並大抵の精神力ではない。何故それが並大抵の精神力ではないのかについて、この記事では詳説したいと思う。

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イギリス国民投票結果速報: 開票率72%でEU離脱が優勢

現在開票が行われているイギリスのEU離脱を賭けた国民投票だが、最新の開票結果では、驚くべきことにYouGovによる出口調査とは逆の結果となっている。開票率は72%で、EU離脱派が51.7%、EU残留派が48.3%となり、EU離脱派が優勢となっている。YouGovによる調査ではEU残留が優勢となっていた。

人口の多く、残留派の多いロンドンのなかのいくつかの地域が未開票であるため、まだ形成の逆転する余地がないとは言えないが、開票率は既に高く、金融市場ではポンドが暴落し円高株安になるなど、離脱を織り込む形でリスクオフの気配となっている。

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世界の金融市場における分析と実践