2008年の金融危機の後、紆余曲折はあったものの、米国株は順調に上昇してきた。金融危機を受けてFed(連邦準備制度)が直ちに量的緩和を開始し、経済を下支えしたことで、サブプライムローン問題の震源地であったはずのアメリカは日本やヨーロッパよりも早く景気後退から立ち直った。
米国株も金融危機後の底値から大きく上昇し、やはりアメリカの企業は世界経済の低成長のなかでも利益を増やし続けているのか、という印象を持っている投資家が居たとすれば、実はそうではないことを示すデータを知るべきだろう。
2008年の金融危機の後、紆余曲折はあったものの、米国株は順調に上昇してきた。金融危機を受けてFed(連邦準備制度)が直ちに量的緩和を開始し、経済を下支えしたことで、サブプライムローン問題の震源地であったはずのアメリカは日本やヨーロッパよりも早く景気後退から立ち直った。
米国株も金融危機後の底値から大きく上昇し、やはりアメリカの企業は世界経済の低成長のなかでも利益を増やし続けているのか、という印象を持っている投資家が居たとすれば、実はそうではないことを示すデータを知るべきだろう。
2017年は先ず世界の金融市場を俯瞰しなおすことから始めたいと思う。2016年の終盤にはトランプ相場で世界の金融市場は景気回復を織り込む形で推移した。
しかし世界経済は金利上昇という爆弾を抱えている。1980年代のレーガノミクスの頃から金利は下がり続けてきたのであり、経済成長と株高はこの金利の長期下落トレンドに支えられてきたバブルなのである。
こうした状況を踏まえた上で2017年の相場はどうなるのか? 様々な要素が複雑に絡み合う今年の相場では、一つの資産クラスについての予想はほとんど意味を持たないが、先ずは米国株と長期金利について現状分かっていることを纏めたいと思う。
アメリカのロナルド・レーガン大統領の経済政策、いわゆるレーガノミクスについて、一度纏めておく必要があるだろうと思ったので、今回の記事で取り上げておきたい。
1981年から1989年まで続いたレーガン政権は、減税と財政出動を最大限行った政権であり、しかもその8年の任期は初期の金融引き締め期とその後の金融緩和期の二つの時期に分けられる。この意味ではレーガン政権は、財政政策が景気刺激としてどれだけ機能するのか、そしてそれは金融緩和なしでも持続可能だったのかという二つの問いに対する実験を実際に行った政権であり、その実験結果は現代の投資家にとっても興味深いものと言えるだろう。
前回の記事で報じた通り、世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏は、トランプ政権がアメリカの消費者や企業の購買意欲を喚起する可能性があると指摘している。
一方で、トランプ氏が大統領選挙で勝利するまで、ヘッジファンドマネージャーらの間では先進国の需要減速は慢性的なものであるとの見方が支配的だった。
では、トランプ大統領は本当にマクロ経済的トレンドのすべてを一人でひっくり返してしまうのだろうか? この疑問に答えを出すためには、先ずアメリカの消費者には余力があるのか、そしてその余力を使う気があるのか、という二つの論題について考える必要があるだろう。
世界最大のヘッジファンドであるBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がLinkedInに再び寄稿(原文英語)し、より踏み込んだトランプ政権の批評を行っているので取り上げたい。
これまで何度も取り上げてきた著名投資家のジム・ロジャーズ氏は、周知の通り逆張り投資家である。ブームになっている市場には目もくれず、投資家に見向きもされない市場、あるいは叩き売られている市場に投資をし続ける。
彼は1973年にジョージ・ソロス氏とクォンタム・ファンドを設立し、途方もないパフォーマンスを叩き出した後、1980年にヘッジファンドを引退、その後は世界一周などをしながら自分の資金を運用する冒険投資家となっている。
彼の逆張りの投資スタイルはその当時からのものである。今回の記事では彼の著書『商品の時代』に書かれた引退後の彼の投資に着目し、ロジャーズ氏の逆張り投資の歴史を紹介してゆきたい。
2016年12月14日、アメリカの中央銀行であるFed(連邦準備制度)は政策決定会合であるFOMC会合を開催し、政策金利を0.25%上昇させることを決定した。11月のアメリカ大統領選挙後初の会合であり、決定は全会一致である。
利上げはそのものは事前の予想通りだったにもかかわらず、アメリカの長期金利やドル相場は激しく動いた。以下の記事で忠告しておいた通りである。
何故こういう動きになったのか、そしてこれからどうなるのか、声明文やイエレン議長の記者会見の内容などを紹介しながら説明してゆきたい。
アメリカ大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利して以来、株式市場は大いに好況である。ドル円が上昇しているため日本株が上がるのは当然だが、金利が上がっているアメリカでさえも株価は史上最高値を更新している。
しかし2008年の金融危機以来、株式市場は中央銀行がお金を刷ること、つまり量的緩和によって支えられてきたのであり、低金利が株価を支えてきたのである。したがって金利が上がれば株価を支えてきた要因がなくなり、株価バブルは崩壊せざるを得ない、というのがヘッジファンド業界での大方の見方であった。
2016年アメリカ大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利して以来、アメリカの株式市場では様々な銘柄が値上がりしている。トランプ氏の経済アドバイザーであるジョン・ポールソン氏やカール・アイカーン氏の投資戦略については以前お伝えした。
新たな政権に移行する時には新たな政策によって様々な銘柄が値上がりするものであり、ファンドマネージャーたちは様々な方法で利益を得るわけだが、Elliott Management創業者のポール・シンガー氏は一風変わった銘柄で一儲けしたようである。それは刑務所株である。
債券投資家のビル・グロス氏がドナルド・トランプ大統領以後のアメリカの金融政策について語っている。大統領選挙後、アメリカの長期金利は上昇し、その結果ドルは上昇しているが、いわば金利の専門家であるグロス氏はそうした動きに懐疑的な意見を表明している。