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Form 13F: ソロス氏は米国株暴落を警戒、アインホーン氏も空売り拡大へ

2015年1QのForm 13Fが公開され、機関投資家の3月末における買いポジションが明らかになった。詳細は以下に見てゆくが、引き続き、米国株の暴落を警戒していることが読み取れる。

ソロス氏、アインホーン氏ともに米国株に弱気

先ず、ソロス氏のポートフォリオではS&P 500のプット・オプションが復活しており、11億ドルのポジションとなっている。2014年3Qでは22億ドル、4Qではポジション解消となっていた。

ソロス氏を含め、グローバルマクロの投資家がヘッジ売りをするときにはS&P 500先物の空売りを主に使うため、ソロス氏は、Form 13Fには現れない先物の売りと、上記のプットの買いを織り交ぜながら、臨機応変にポジションをヘッジしているものの、米国株暴落への警戒感そのものは引き続き変わっていないということだろう。 続きを読む Form 13F: ソロス氏は米国株暴落を警戒、アインホーン氏も空売り拡大へ

ポンドとユーロは適正水準まで上昇、円は長期下落トレンド、よってドル買い

先ず特筆すべきはポンドの上昇だろう。スコットランドの独立投票からイギリス経済への不安が表出し、1ポンド1.7ドルと割高で取引されていたポンドが調整に入ったのは2014年の夏の話だが、2015年の3月に1.4ドル台に入った時点でポンドの保有を推奨した。

その後イギリスは選挙を迎え、経済界寄りの保守党が過半数を得たことでイギリス経済への信頼が回復、ポンドドルは4月の底値である1.45から1.57まで上昇した。

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2015年1Qの米国GDPは堅調続く、原油関連は弱いが輸出に回復の兆し

4月29日に2015年1-3月期の米国GDP速報値が発表された。報道では前期比年率の悪さばかりが報道されているが、前年同期比で見れば2.99%の実質成長と、米国経済の力強さが衰えていないことが確認され、実際ドルも対ユーロを除いて上昇した。

以下に米国GDP成長率の推移を示したグラフを掲載し内訳を見てゆくが、数値はいつもの通り前年同期比である。報道では通常「季節調整済み前期比年率」が使われるが、個人的に統計処理による季節調整を信じていないというのと、また前期が冬場であったため、原油安という特殊要因を誤差なく見極めるためには統計処理に頼らない前年同期比が良いのである。

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バーナンキ氏ブログ: どうして金利はそれほど低いのか

いくつかのニュースでも報じられているように、Fed(連邦準備制度)前議長のベン・バーナンキ氏がブログを開設している。議長時代には言いたいことを言えなかったこともあってか、かなり饒舌に語っており、本人曰く「ようやくFedウォッチャーに監視されることなくコメントできる」だそうである。

Fedの仕事は98%が対話、2%が政策実行だったとも語っており、発言1つするにしても非常に気を遣ったのだろうと思う。しかし、引退した今は彼も民間人であり、自由に経済批評ができると思いブログを始めたのだろう。

現在9つの記事が投稿されているが、本稿では先ず、彼のブログ最初のエッセイ、「どうして金利はそれほど低いのか(Why are interest rates so low?)」を和訳して取り上げたい。 続きを読む バーナンキ氏ブログ: どうして金利はそれほど低いのか

金はいつ買うべきか?: 2015年以降の金融市場暴落を逃れるために

米国の量的緩和によって2012年に史上最高値1,921ドルを記録した金の価格上昇は、Fed(連邦準備制度)の量的緩和終了とともに終わりを告げ、金は2013年から2015年にかけて急落、1,200ドル前後まで値を落としている。金は、金融緩和によって通貨が価値を下げるときに買われ、そして通貨の価値が戻るときに売られるのである。

量的緩和を既に停止した米国に続き、日本の量的緩和も2年の期間の半分が終了した。ユーロ圏の量的緩和も2016年の9月が目処である。それでは2015年以降の金価格はどうなるのか? 金は更に下落するのか? 答えは条件付きのイエスである。すなわち、世界的な量的緩和が無事に出口を迎えれば、金の価格は更に下落するだろう。しかしながら、その前提が不可能であることは、これまで何度も記事にしてきた。 続きを読む 金はいつ買うべきか?: 2015年以降の金融市場暴落を逃れるために

2015年版、グローバルマクロ戦略によるリスクヘッジを考える

米国では未曾有の金融緩和が終わり、利上げへと動き始めているが、一方でドル高が輸出を軽減しており、遂にはFed(連邦準備制度)もドル高への懸念を表明した。これは利上げ観測の逆戻りを意味する。

米国の利上げが投資家最大の関心事である今、ドル高は利上げへの進捗を測る一種の指標となっており、そのため世界中の金融市場のほとんどがドル高と連動していると言える。

これは投資家にとってそれだけでリスクである。世界中に分散投資をしたポートフォリオであっても、そのすべてがドル高に連動していれば、本当の意味で分散をしていることにはならないからである。例えば、ドル円の買いと日本の輸出株の買いは、資産クラスが違うにもかかわらず、両方ともドル高に正の相関があるポジションであり、言わばドルを二重に買っていることになる。 続きを読む 2015年版、グローバルマクロ戦略によるリスクヘッジを考える

2015年の相場はブラックマンデーに似ているか?

さて、前回はブラックマンデーに至るまでの政治的・経済的背景を説明したので、今回は2015年の相場がブラックマンデー当時に似ているのかどうかについて検証したい。 続きを読む 2015年の相場はブラックマンデーに似ているか?

プラザ合意からブラックマンデーまでを振り返る

2015年の金融市場はブラックマンデー当時の相場と似ているとの指摘が各所から出ている。チャートの類似を指摘する声もあれば、ボラティリティの上昇を指摘する声もあるが、ファンダメンタルズにおいてどう類似しているのかを詳細に観察するレポートが出回っていないと感じているので、先ずは1987年に起こったブラックマンデーのマクロ経済学的背景を説明しておきたい。

ブラックマンデーについては、一般的には解明されていない点が多いとされているが、一部の優れた投資家は事前に予測していた事案であり、ファンダメンタルズと投資家の心理の観点から説明が可能である。暴落の背景には1981年に米国の大統領に就任したレーガン大統領のレーガノミクスがあるので、先ずはここから始めたい。 続きを読む プラザ合意からブラックマンデーまでを振り返る

2015年、米国利上げまでの投資戦略

Fed(連邦準備制度)による 量的緩和が2014年に終了し、2015年の中旬には利上げを控えているにもかかわらず、米国の株式市場は連日史上最高値付近で推移している。サウジアラビアが最近の原油価格の小反発を歓迎する意向を表明したことから、60ドル前後の原油価格が受け入れられたと考え、米国の個人消費の回復はますます揺るがないものになりつつある。

しかし、それでも利上げは歴史上何度も金融市場の暴落を引き起こしてきたイベントであり、米国株を保有する投資家は心の何処かで自分の買い持ちを心配している。

株式市場はこのまま利上げまで問題なく上昇するのだろうか? これは買い方も売り方もどちらも抱えている疑問であり、それぞれの答えがあるだろうが、先ずはおよそ考えられるシナリオを列挙してみたい。以下の3つである。 続きを読む 2015年、米国利上げまでの投資戦略

Form 13F: ソロス氏、アインホーン氏は米国株空売りを拡大か

毎四半期恒例、SEC(米国証券取引委員会)によりForm 13Fが公開され、機関投資家の2014年末時点での米国株のロングポジションおよびオプションの買いポジションが公開された。

Form 13Fは1ヶ月半遅れでのポジションの公開であり、かつ空売りや先物のポジションは公開されないので、これだけを見てどのファンドが米国株を買っているとか売っているとか言えるものではないのだが、同業者であれば、現物の買いポジションを見るだけでも、そのポートフォリオに秘められた考えのいくつかは読み取れるものであり、その投資原則が短期的に変わるものでなければ、そのファンドがどの銘柄を今も持っているか持っていないかは大体分かるものである。

さて、2014年の4Qであるが、Form 13F以外の情報も含めて主だったものを纏めてみたい。 続きを読む Form 13F: ソロス氏、アインホーン氏は米国株空売りを拡大か